変わらないって素敵  [ 10/25 ]


「あのさー、鬼の旦那・・・何度も言うようだけど俺様今は片倉だから!」
「いやー、わかっちゃいるが、つい昔からの癖でな」
『まぁ、武田の忍・・・なんて呼ばれるよかいいんじゃない?それよか佐助は何しにきたの?』

私が用件を聞くと、用事を思い出したようで手にしていた包みをこちらに差し出した。

「はい、コレ。星那と鬼の旦那のお弁当」
『えっと・・・』
「まさかこれだけのために来たとか言わないよな?」
「あぁ、コレはついでだよ。本当は星那が教室で授業受けられてるかどうか見に来たんだけど・・・」
『うー・・・ごめん』
「気にしないの・・・無理だってわかってて学校行かせたんだから。それに星那が教室にいたら鬼の旦那がぼっち飯することになっちゃうよ・・・」

だから問題ないと言って笑ってくれる佐助からは、あの頃と変わらない優しさが感じられる。

『佐助は何も変わってないね・・・』
「星那は・・・笑顔が増えたかな?昔に比べたらだけど」
『そう・・・みんなのおかげだね。あ、そうだ。琥太郎先生、放課後になったら小さい先生ここに呼んできてよ。私達のこと、全部話すから・・・』
「あー、いいのか?勝手に教えて・・・」
『私が良いって言うんだからいいの!』
「・・・わかったよ。直獅に言っておく。俺は寝る・・・生徒が来たら起こしてくれ」
『ハイハイ・・・任されました・・・っと』
「星那・・・」
『ん?』
「本当にいいの?あんなこと思い出して辛いのは星那なんだよ?」
『ん〜、確かに話すのは辛いかもだけど、話しておいたほうが今後楽かと思って』
「・・・星那策士だね」
「本当は毛利の娘なんじゃねーの?」
『日輪よー・・・みたいな?さぁって、アニキ!ご飯食べよ!佐助も食べる?』
「いいや、俺様まだ家のこと終わらせてないし・・・また後で迎えに来るよ」
『そう・・・じゃあ、また後でね?』

佐助はこちらに手を振ると一瞬で消えてしまった。

『真田忍隊隊長は健在のようだ・・・』
「俺だって負けてねぇぞ!」
『まぁ確かに・・・みんな変わってないよね。だからこそ・・・』

今の私はここにいるんだろうけど・・・


  









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