受け付けない  [ 9/25 ]


「お前は何で女が嫌いなんだ?」

ほとんど最初から聞かれてたじゃねーか!とか考えていたらふと問われた。

『・・・私は三つ子で兄と弟がいます。あ、幼馴染みの男の子もいます。みんな見た目はかっこよくて性格だっていいです。そこで問題!そんな彼らに囲まれる私はどうなるでしょう?ちなみにお馬鹿なアニキでも言わなくたってわかりました!』
「何げに貶してんじゃねぇよ・・・」
『でも元就いつも言ってんじゃん』
「あいつは、腐れ縁だからそう言ってくるだけなんだよ!」

あ、拗ねた。かわいい。

「なんとなく想像はつくが・・・苦手になることはあっても自ら嫌うことはないんじゃないか?」
『・・・想像している通り私は女の子から虐めを受けていました。保育園には通っていなかったので、事の始まりは私が小学校に入学してからです』
「嘘つけ・・・俺らと出会うずっと前からじゃねーか・・・」
『あ、いや、確かにそうなんだけどさ・・・[片倉星那]になってからじゃないと収拾つかなくなっちゃうよ。・・・そう、小学校の時から彼らはモテたんです。まぁ、一クラスしかないような小さな学校だったんで、虐められても平気でした。みんなに守ってもらえたから。けど、中学校に入学してからは違いました。兄も、弟も、幼馴染みも・・・みんな違ったクラスで、私は女子なので体育でも誰とも一緒に授業を受けることはできなくて、完全に一人でした。そんな私にチャンスと言わんばかりに嫌がらせをしてくるようになった女の子たち。それでも最初は堪えられたので誰にも話しませんでした。けど、それがいけなかったんでしょうね。何もしない私に対する嫌がらせはどんどんエスカレートしていって何度も殺されそうになりました。だから途中から保健室登校になって、勉強なんて全くしてないんです』
「だからこれから星那は学ぶんだ。ここでな」
「ここ・・・って保健室か?」
『それ以外にどこかありますか?』
「まぁ、保健室登校になる事情は納得できたが・・・嫌いになるか?兄弟や幼馴染みもここで通っているのか?」
『あー・・・生理的に受け付けないんですよ。生まれてからずっとお世話してくれてた人も、一定の距離を置かないと会話が出来なくなりました』
「こいつの兄弟と幼馴染みは婆娑羅学園に通ってる」
「生理的・・・ということは発作も酷いのか?」
『うん・・・』
「過呼吸に喘息・・・本当に酷いときは食ったもんみんな戻しちまう」
『だからこそ、最初は家に引きこもるつもりでいたんです・・・まぁ、失敗に終わりましたけど』
「猿飛と右目に引き摺り出されたか・・・」
『アニキ正解・・・』
「片倉そんなんで自分の母親は平気なのか?」
『いや私に母親とかいないし』
「?シングルファザーとかか?」
『いや、いるにはいるんだけど・・・』
「ちょっとちょっとー、人ん家の事情に首突っ込まないでくんない?」

突然話に割り込んできた声は、

「猿飛・・・」
『佐助・・・』

私の産みの親、つまりお母さんでした。

  









人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -