ほとんど最初からでした
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小さい先生は私に保健室の先生を起こすことを頼むと走っていってしまった。
『あーぁ、殴られるから廊下は走っちゃダメなのに・・・』
「で、あんた・・・一体いつから起きていた?」
『アニキ・・・目付き怖いよ。とりあえず、琥太郎先生、だっけ?この人、怪我してるみたいだから、手当てしてあげてよ。アニキも、話はそのあとだってできるでしょ?』
琥太郎先生は面倒くさそうに体を起こすと、大きな欠伸を一つ溢した。
「なんだ・・・気付いてたのか・・・」
『・・・まぁ、元は一般人でも今は元武将の娘だしね』
「それくらいできて当然だろ?」
琥太郎先生は頭を掻きつつ、怪我をしたという生徒に目を向けた。
「これはまた盛大に転んだな・・・」
どんなに面倒くさそうにしていてもさすが教師とでも言うべきか、仕事はちゃんとするようだ。
『それにしても琥太郎先生の声・・・なんとなく半兵衛に似てない?』
「星那もそう思うか?」
どうやらアニキも同じことを思っていたようだ。
「半兵衛?」
「あー、いや・・・」
『私達の共通の知り合いだよ』
「そうか・・・手当て終わったぞ。話するんだろう?片倉、お茶煎れてくれ」
『アニキー、お茶ー』
面倒だからアニキに押し付けると、ため息つきながらも結局任されてくれる。優しい。
『で?結局いつから起きてたの?』
「・・・転入したクラスに女子がいるのは誰の仕業か・・・あたりから」