ひきこもりたい
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「星那ー!朝だよ、起きて!学校遅れちゃう!」
『やだ・・・今日は行かない』
「今日はって・・・入学式でしょーが」
『だって・・・やだもん。女の子嫌い・・・』
政宗と幸村はすごくモテる。
私だってかっこいいと思う。
だから不可抗力なのか・・・二人に挟まれてる私はいつも虐められる。
保育園は行ってない。
小学校は1クラスしかなかったから、平気だった。
中学はずっと保健室・・・
でも高校になってそうはいかなくなった。何故なら・・・
「保健室でもいいからさ・・・ね?」
『余計いやだわ!だってあれだよ?光秀さんだよ?』
本当に・・・あの人は明智研究所に閉じ籠ってしまえばいいんだ!
「あぁ、まぁ、気持ちはわかるけど・・・とりあえず起きて!旦那に言いつけるよ!?」
『やーだー!起きたら二人に連れてかれるもん!』
「右目の旦那ー?星那が起きなーい!」
うー・・・意地でも起きないんだから!!
「全く・・・入学式からコレじゃ俺様困っちゃうよ・・・」
『困っちゃうのは私だよ・・・』
婆娑羅学園が男子校ならよかったんだ・・・
「二人はもう学校行かせるから・・・そしたら起きるんだよ?」
『んー・・・』
二人を急かすオカンの声が聞こえる・・・
「二人とも、もう家出ないと遅刻するよ!?」
「星那は・・・?」
「やっぱり行けないって・・・」
「淋しいでござる・・・」
「星那に直接言ってやって」
「・・・行ってくる」
「はいよ、二人とも気を付けてねー?」
二人を見送ったオカンが、今度は父様を引き連れてくる。
「ほら、二人とも学校行ったから星那も起きて」
『うん・・・』
「うん・・・じゃなくて!本当に、今のうちに起きないと起き上がれなくなるよ!?」
オカンにそう言われて布団から顔を出したら
『・・・父様』
前髪垂らしたイケメンがいらっしゃった。