校内恋愛で5題



5.計画的な保健室にふたりきり(蔵光)



「あの…部長…」
「ん?何や財前?」
「いや、何ややなくて…何すかこの状況…」
「何って…」

先生おらん保健室にふたりきり?
そう言って部長は笑った。

せっかく部活ないんやしさっさと帰ろう思て昇降口に向かっとったら、後ろから何かが飛んできて頭にぶつかった。
それはテニスボールで。
何で?て思っとったら白石部長がものすごい勢いでやってきて「財前!?頭痛ない!?よっしゃ保健室行こか!あ、謙也そのボール拾っといてや!」って言うだけ言うて俺を引きずって保健室に連れてきた。
何が何だかわからないまま連れてこられた保健室には先生はおらん。
まぁそこまではよくある話やけど、部長とふたりきりっちゅーんも…まぁ…この際いいことにして…

「何で俺ベッドに押し倒されとるん…?」

問題はそこやった。

「大丈夫、今日先生出張でおらんし」
「…まさかそれを知ってて…?これが目的で…?」
「せやで」

部長の笑顔は綺麗やと思う。
けど、見とれとる場合やない。

「離してください」
「嫌や。せっかくのチャンスなんに」
「ここ学校ですよ」
「大丈夫やって俺鍵持っとるし」

保健委員の特権やー言うて部長は得意気やけど、こないな人が保健委員で大丈夫なんかなうちの学校…

「離さへんで、光」

部長の瞳に、逃げられへんなって思た。
もうどうにでもなれ。
心の中で呟いて俺は目を閉じた。


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