五つの告白



4.小さく震える声で(祐←悠)



「祐希ー、朝だよ起きて」
「んー…」

毎朝オレは祐希を起こす。
まだ開かない祐希の目。
さらさらした髪に触れると僅かに声が漏れた。
それがどうしようもなく愛しくて、伝えそうになってしまう。
けど、本人に聞かれてしまったら大変だから、祐希が覚醒するまでの時間に呟くように言う。
小さく震える声で。

「祐希…好きだよ…」

祐希には伝わるはずのない言葉。
それでも、緊張で声は震えるし、恥ずかしくて大きな声では言えない。

「っ!?」

いつもならそのままもう一度祐希を起こすのに、今日はそれが出来なかった。
祐希に手を掴まれてベッドに引きずり込まれたから。

「それ…本当?」

真剣な瞳とぶつかる。
至近距離で見つめられて蒸発してしまいそうだった。

「オレも悠太が好き。誰よりも好き。愛してる」

抱き締められて伝わる鼓動。
甘い響きが愛しくて。

「祐希が…好き…」

祐希の顔を見られなくて肩に顔を埋めたまま言う。
相変わらず声は小さくて震えてるけど、いつかもっとちゃんと伝えられたらいいな。



next.菊→不





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