同じ罪or共犯者



あの時、悠太を守りたいって思ったんだ。




「あっ」


ゆうたの短い声と何かが割れるような音。


「ゆうたどうしたの?
あ…お父さんのおさら…」
「……どうしよ…」


そこには割れてしまったお父さんのお皿と、それから、困ってるゆうたの顔。
お父さんが大切にしていたお皿を割っちゃったなんて、そんなこと言ったら怒られるに決まってる。
正直に言わなきゃって気持ちと怒られたくないっていう気持ちに挟まれて、ゆうたは困ってるんだ。


「ゆうき?」


割れたお皿を集めて、カンに詰めて、コートを着て、ゆうたの手を引いて外に出る。


「ほんとにいいのかな…」
「いいのいいの、だいじょぶ、ないしょないしょ」


カンを埋めてぽんぽんっと軽く叩いて仕上げ。
「ホラ、ねっ」って言ってゆうたを見たら、ゆうたはまだいいのかなって顔をしてた。
だから。


「ボクもゆうたをかくまったつみできょうはんしゃ」


ゆうたはひとりじゃないんだよ。


「だからバレちゃってもおこられるときはボクもいっしょだからね。
だいじょうぶだからね」


ゆうたの手をそっと握って繰り返す。


「だいじょうぶ」


ゆうたはひとりじゃないよ。
ボクがいるよ。


ね、ゆうた。
ゆうたはボクが守らなきゃって思ったんだ。
ゆうたにはボクがいるから、大丈夫だからね?





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小さい双子かわいいようう…!
って5巻を読んで書いた記憶が…


2011.12.11


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