誰か…
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誰にも言えずにいた想いが膨らんで。
思えば、あのときから始まっていたのかもしれない。
「不二クン」
「白石…?」
全国大会の準決勝。
決勝進出を決めたボクらが会場から打ち上げの場所へ向かおうとしたとき、白石はボクに話しかけてきた。
「ちょっとえぇかな?」
「いいよ…?」
四天王寺も向かう方向は同じだったみたいから、ボクと白石は並んで歩いた。
正直、彼との試合に負けたばっかりで、まだ悔しさが残ってたから、あんまり話したくなかったんだけど。
でもそれは彼が強くてボクの力が及ばなかっただけのこと。
彼が悪いわけじゃない。けど。
「君っておもろいテニスするなー」
「そんなことないと思うけど…」
「いやいや、また試合しよな」
「そうだね。そのときは負けないからね」
「おーおー怖いなー」
なんだか苦手だなと思った。
いまいちペースが掴めない。
それに、今はテニスの話はしたくない気分なんだけどな…
まぁテニスしか共通点を知らない以上それは仕方ないのかもしれないけど。
白石は歩き方がゆっくりで、気付けばみんなはボクらの少し前を歩いていた。
「スキが多いでぇ不二クン。テニスしてる時も、今も」
「え…っ!?」
一瞬何が起こったのかわからなかった。
気付いたら白石の顔が目の前にあって。そして。
「っ!?」
「だからスキが多いって言うとるのに…かわえぇなぁ」
反射的に唇を覆う。
触れるだけの軽いキス。
ボクは頭の中が真っ白になって何も言えない。
頬に熱が集中したのだけはわかった。
「まぁ続きはまた今度、やな、不二クン」
「……」
不敵に笑って何事もなかったかのように彼は仲間のところに戻っていった。
たったそれだけのことだったけど、あれ以来ボクは確実に、彼に惹かれてる。
会えない間にどんどん強くなってく。
ずるいよ。
君が気付かせたくせに君はここにいないなんて。
誰か、この想いをどうにかしてよ…
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初めて白石と不二を書きまし…た…
なんかちょっと違うような…なんだこのチャラ石…←
不二はもうちょっと強気だったはずなんだけどな…
2011.06.13
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