焦燥
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「悠太くんはもうどこの大学に行くか決めてるんですか?」
本当はそんなこと聞くつもりはなかったのだけど。
今まで考えたこともなかった。
自分の将来のことなんて。
気付いたら4人一緒にいるのが当たり前だった。
2年生になってから千鶴くんが加わって5人になって。
過ぎていく毎日がとても楽しくて、離れることなんか考えられなくて。
でも、確実に、この日常には終わりが訪れる。
「ボクなんかまだ全然進路のこと考えてないっていうか、意識してないっていうか」
――おいていかないで。
「だから二人見てなんかびっくりしちゃって…
…びっくり?びっくりっていうか…なんか………」
漠然とした焦り?不安?
何ていうのかはよくわからないけど。
離れるなんて考えたくない。
現実と向き合いたくない。
「春、おへそ」
「え…あっ」
気付いたら、随分前屈みになっていた。
慌てて姿勢を正すと、悠太くんは。
「お服加減はいかがですか?」
悠太くんは、優しく微笑んで。
どうしてそんなふうに笑えるのだろう。
まるで、包み込むような。
全部、伝わってしまうのかな。
ボクの気持ち、全部。
―あぁ、適わないな。
「大変結構です」
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春ちゃん偽物…
この時期に大学調べたことないって遅いよ2人とも…と思ったのは秘密←
2011.06.20
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