対面



「、、、、という訳で、今回の討伐に加わるのが、この者です。」

何でも、紅炎(さん)直々の命令でもう一人従者がつくらしい。

「覇紅っていいま〜す。よろしくね〜。」


紅さんと同じ紅い髪の男の子で、紅さんと兄弟らしい。

だがあの間延びした話し方といい、何分軽そうで少し心配だ。

「、、、はぁ、、、よろしくお願いします。って、え、お二人だけですか?」

「そうですが、何か?」

「いや、てっきり何十人かいるものかと」

「私達に何かご不満でも?」

「い、いや!そんな事はないですよ!?」

「なら問題ありませんね。行きますよ」

「は、はいぃぃっ!」


取り敢えず紅さんには逆らえない。逆らうととんでもない事になるという事が煌帝国に来てから学んだことだ。

そうこうしているうちに紅さんと覇紅くんが先の方を歩いて言ってしまった。

歩くのが早すぎやしないだろうか

「ちょっ、紅さん!?待ってくださいよ!!」


かくして、龍御一行の討伐の旅が始まったのだった







、、、、が、しかし



「、、、あぢぃ、、、」

炎天下の中、煉瓦で舗装された道は熱気を帯び、きっと生肉をおいたら焼けてしまうのではないかという程に暑い。

陽炎も見えるわ、汗は出るわで、体力もかなり消耗されている。

こんな状態で賊なんか出てきたら負けそうだ。

覇紅くんもかなりきつそうで、長い髪も汗で濡れている。

にも関わらず、紅さんはスタスタと速度を変えずに歩いている。倒れそうで実は丈夫だったんだな紅さん、、、、、



「ちょっと待ってよ〜め、、(今睨まれた!)っ紅兄〜、牛車で行こうよ〜」

あまりに距離が離れてしまったので覇紅くんが牛車案を提案してくれた。


「何を言うのです!そんな贅沢は許されませんよ!ほら!歩きなさい!」

無情にもバッサリと切り捨てる紅さん

甘いぞ覇紅くん、紅さんは実はSなんだよ。MっぽいSなんだよ。辛そうな素振りを見せちゃだめなんだよ。

「、、、、えぇ〜、、、暑いしぃ〜、汗かいてるしぃ〜、もう歩くのだるいんだけどぉ〜」


そう心の中で思っていると、覇紅が駄々をこね始めた。

さらに圧をかけるなんて、末恐ろしい!!

私がしようものなら、、、、あぁ、考えられない、、、


「はぁ、、あなたも仕方がない人ですね」


そう思っていると、ため息1つついて、紅さんがスタスタとこちらへ来てゴニョゴニョと覇紅くんと話し始めた。

と思ったら、いきなり目を輝かせて、よしっ!あるくよぉ〜!とやる気全開の覇紅くん

何だ、何が起きたんだ

「ほら、何ボーッとつっ立ってるんですか。行きますよ」

「えっ、あっ!はいっ!」


何はともあれ旅はもうしばらく続きそうだ


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