結果オーライ


「は?え?従者!?ちょっと、紅玉ちゃん、君のお兄さんは何をイッテルノカナ?」


「え、いや、私に言われましても、、、」


「つべこべ言ってないで俺に従え」


「横暴!横暴だよこの人!」


「どうせ当てもないのだろう」


「ぐっ、、、」


確かに、金は使い果たしてしまい、、、というか、逃げる途中で落としたのだが!


まぁ、そういう訳で、確かに帰るまでの金は工面しないといけないとは思っていた。


だが、よりによって煌帝国の皇子の従者など!というか、自分で言うのもなんだが、従者をこんなどこの馬の骨ともわからない奴に任せていいのか!?


「ちょうど雑用が欲しかった所だ。それに、お前がたとえ何者で有ろうと、俺が負けることはない」


思っている事を見透かされたかのようにそう言い放たれた。


取り敢えず、すごい自信だ。そりゃ、金属器を何個ももってりゃそう言えるだろうが


こうも平然と言われると、お望み通り襲ってやろうかと思えてくる。私だって金属器を持つ者の端くれなのだ。


「、、、反論は認めん。後で使いを遣る。」


どうしてやろうかと迷っていたところ、それだけ言い放つとさっさと踵を返し、何処かへと去ってしまった。


反論は認めてもらえないらしい。本当にあのマギのことと言い、あの皇子のことと言い、なんと運がないことか!


最近はいい事しかしてないはずなのだが、、、


だが、まぁ、ものは考えようだ。
アルサーメンの本拠地(推測)である程度自由に動き回れるようになるのだ。
そもそも、その調査のために来たのだから、まぁ、結果オーライなのではないだろうか。


うん。そうだな、結果オーライ!結果オーライだよな!!!



(落ち込んだかと思ったら、いきなり元気になって、、、、不思議な方だわ。だから、お兄様が興味をお持ちになったのかしら、、、)


紅玉にそんな事を思われているとも知らずに、蘭はこれからの事を考えていたのだった。





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