今、動き始めた


パラパラ、、、、


粉塵が舞い、扉はどうやら瓦礫の山と化している。







「ジュ、、、、ジュ、、、ジュダルちゃん!!!なっ、何てことを、、、!!!ここっ、ここここ、ここっ!おっ、お兄様の書っ、書斎じゃない!」


「あぁ?別にいーだろ書斎くらい。また直せばいーんだしよ」


「いや、そうは言っても、、、


あっ!そうよ、お客様が、、、!
大丈夫ですの!?お客様!!?返事をして下さい!!!お客様!!!」



ガタッ、、、



瓦礫の山から手が一つ。どうやら埋まってしまったようだ。


「、、、ゲホッ、、、なっ、、、何とか、、、あの、すみません、上げてもらっても、、、」



「、、、!良かった!!!

はい!今行きますわ!!ほら!ジュダルちゃんも!!!」



「はぁーーー?なんで俺がんなことやらなきゃならねぇーんだよ。嫌だね!


あーあ、あいつも本気じゃねぇし、つまんねぇ!いーや、白龍んとこ行こー」



「えっ!?ちょっと!ジュダルちゃ、、、



、、、、行っちゃった。

はぁ、仕方ないわ。こうなったら、私がやるしかないわ!!」



止めようとしたもののスゥーっと、何処かへ行ってしまった神官に溜息をつき、煌帝国第八皇女練紅玉は、一人でやるしかない、と腕をたくし上げ客人を助けるべく足を進めたのだった、、、、









その時!






ガラガラガラガラッッッッ!!!




「えええええええええ!?」



突然、ガラガラと音を立てて崩れ去る瓦礫の山に思わず驚きの声を上げる







「なっ、、、、、、、えっ!?






 お、お兄様!?」



そう、そこには何故か客人を横抱きにして立ち上がる長兄の姿があった。




「、、、あの!だから、俺別に自分で立てます!!降ろして下さい!」


「、、、、」


「無視!まさかの無視!だから、さっき踏んでたのは謝ったじゃないですか!というかそもそも、あの神官のせいですからね!?」




そして、何故か、口論になっている。まぁ、一方的に客人が捲し立てているのだが




(おっ、お兄様にあんなに突っ掛かるなんて、、、!)

(だっ、大丈夫かしら、、、、)






「、、、、お前、名前は」


「、、、そういう時には自分から名乗るものだと思うんですけど」



(ちょっ!?おっ、お兄様になんて失礼な、、、、、!)
あの長兄に名乗らせるなど、前代未聞だ。



「、、、フッ、、、そうだな。俺から名乗ろう。俺の名は"練紅炎"だ。」


フ、、と笑みを漏らす長兄の姿は稀で


(あれ、お兄様、、、怒っていらっしゃらない、、、?)



「おぉ、練紅炎か、紅、、、、ん?

、、、、あれ、こっ、紅玉ちゃん、こっ、この人、きっ、君の、、おっ、お兄さん、、、?」


どうやら、ようやく事の重大さに気づいたようで、ギギギ、、、とぎこちない動きでこちらをみて尋ねる客人



肯定を示すために凄い勢いで頷く

ピシッと固まる客人。顔は真っ青だ

この後の事を想定するとそれも無理もない。



そんな様子を気に求めず、再び尋ねる長兄


「、、、それで、お前の名は?」


「、、、、、、龍です」


客人も素直に教える


「、、、そうか、龍か」


龍様と言うのね、そういえば、伺ってなかったわ。

でも、男の方のような名前、、、もしかして偽名かしら

と、自分も名前を今知ったことに気づく。



ふむ、、、と何やらお兄様は考えているようで、龍様といえば、なにやらそわそわとしている。お兄様の腕の中にまだいるのでそれも無理はないわ、と思う。




「あの、、、」

「却下」

「いや、まだ何も言ってない、、、」



「、、、気に入った」

「はい?」




「龍、俺の従者になれ」



「は?」

「え?」


龍様が、お兄様の、、、、?





「「ええええええええええええええええ!!?」」


二人の声が響き渡る。



ニヤニヤしながら、紅炎だけが平然と、龍を抱えていたのだった。





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