クークークー、、、




筏の上に、佇む女。

そしてその両手に掴まれたやたら目つきの悪いカモメ。





「カモメよカモメ、私は、今、どこにいるんだ。」


「クェーーッ!!!」


カッカッカッカッカッカッカッ!!


「イタタタタタタタタタタタタ!!!!」


手を凄い勢いで突かれ思わず掴んでいた手を離す。


何すんじゃい、われぇ!と再び掴もうとするが、手に届く距離にいず、地団駄を踏む。


「この、、、カモメ野郎が!焼きカモメにしてやる!!!」


「クェーーッ!!!」


ガッガッガッガッガッガッガッガッ!!!


「イダダダダダダダダダダ!!!!なんか威力増してるっっ!!!

くそっ!この暴力カモメが!!!」


ガッガッガッガッガッガッガッガッ!!!


「イデデデデデデデデデデデデ!!!くっそ!怒った!!!うらぁ!!!」


ガキィィィン


自分の刀を出し、威嚇する。人間なめんなよ!


刀を出されては敵わないと悟ったのか、カモメはどこかに飛んでいってしまった。


「ふっ、、、勝った。、、、とこんな事をしてる場合じゃない」





そう、目が覚めたら何故か筏の上で、海に漂っていて、カモメには突かれるし、踏んだり蹴ったりだ。


だが、何故私が、こんな目に、、、、、

最近のことを思い出す。


、、、、、あ。




「アスカ」

「何でしょう、親父様。」

「お前、ちょっと世界見てこい」

「、、、はい?」

「やっぱり、王となるためには広い見識が必要だと思うんだよ。ってことで、行って来い」

「いやいやいやいや、突然すぎるって!無理だって!」

「もう準備はしてあるからさ、じゃ、そゆことで。」

「いや、そゆことってどゆこ、、、と、、、」



そうだ、問いただそうとしたらいきなり意識がなくなって、、、


くそ、薬を盛ったな親父様、、、!!

あのひとの良さそうだが、実は腹黒い父の顔を思い浮かべながら歯ぎしりする


嘆いても始まらないのは分かりきっていることなので、取り敢えず筏を漕いで陸地を目指そう。



「にしても、見えないなぁーーー陸。」


本当にここは一体どこだろうか。


そう考えていた時だった。




「クェーーッッ!」


後ろから聞き覚えのある声がする。



「チクショーまた懲りずにやって来たのか!今度こそ焼きカモメにしてや、、、、る、、、、」




そう言って、後ろを振り返り、思わず目を疑う。




「クェーーッッ!」

「ギャオォォォォォォ!!!」



そこには不良カモメと、どでかいうつぼのような生物。 





「、、、、なんですとぉぉぉぉぉぉぉ!!!」





背景、親父様



私はもうすぐ死にそうです。

もし、生きて帰ったら、親父様の頭を丸ハゲにすると固く心に誓いました。

待っていてください。あなたのために、たとえ瀕死でも必ず生きて帰ります。
02
/
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -