季節は春。そう春爛漫。春爛漫って言葉が好きだ。春爛漫。
「おぉ・・・見事に満開だなァ櫻御前。いやァ、満開満開。」
櫻御前と名付けたグラ校のシンボルである桜の木も満開に咲き、毎日見に来ていた甲斐があったとしみじみと思った。
こんな櫻が見れるなんて、変なおじさんだったけど、ここに来て良かった。
あとは、ただ、もう少しだけ・・・・
「アスカ〜〜〜〜!!!」
「あ゛っ! ルフィこのやろ抜け駆けすんじゃねェ!!
アスカちゅわ〜ん!! おっはよ〜〜〜う!!!」
「朝からうっせーぞ 耳元で騒ぐな くそコック」
「あ゛!? なんだと!?」
「朝からうるせェつってんだ 黙れエロガッパが」
「ああ?そっちこそ黙れくそ野郎 そもそも何で朝からこんなムサイ奴の顔を拝まなきゃならねェんだ このマリモヘッドが」
「あ゛!? なんだと!? 上等だコラ!! 今日こそ斬る!!!」
「ああ?それは木刀だろうがバカ ハッ 斬れるもんなら斬ってみろよ、三枚おろしにしてやる!」
あと少し平穏が続けば、何もいう事はないのだが・・・
「アスカ〜〜 おはよー!!おはよー!!」
・・・。本当、なんなんだコイツは。小学生か。めんどくさい事この上ない。無視してしまおうか・・・
と思いながらも、挨拶を返さなければいつまでも言ってくるのは去年で立証済みだ。
あの時はしつこかった・・・と思い出し、仕方なく挨拶を返す。
『あァ、おはよう。それにサンジ先輩とゾロ先輩も。』
「「「おはよう。」」」
「シシシッ!! やっぱ朝はこうじゃないとな!!」
こうってなんだこうって・・・私は平穏な時間を潰されて不機嫌きわまりないんだけど
『お前のそのこだわりは何なんだ・・・』
「”アイサツ”は基本だぞ!! お前知らねェのか!?」
いや、人の平穏な時間を壊さないっていうのも世の中の基本なんですけど
と言っても、分かってくれないのは分かっているので心の中で呟く。
「”アイサツ”は大切だって、マキノ言ってたしな!!」
『あァ、マキノさんか。』
マキノさんはルフィん家の近所に住んでるお姉さんで、美人で有名。
ルフィがこういうところで(といっても挨拶くらいなものだが)一応常識のある行動ができんのは小さい頃マキノさんに教えてもらったからだそうで。
いや、コイツに常識を叩き込むなんてホントすごいなァ・・・と心から尊敬してる。
そういや、最近会ってないなァ・・・今日でも会いに行こうかな?
「でよ〜 朝からここで何してたんだ?」
『ああ、櫻御前に朝の挨拶をしにね。 満開に咲いてきれいだろ?』
「そうか? あ、お花見だな! なあ!今度お花見しにいこーぜ!!!」
『・・・・・(コイツに聞いたのが間違いだった)。そうだな。 今度な。今度。』
「おう!! 絶対だぞ!!」
『はいはい。 あ、 ゾロ先輩とサンジせんぱーい、3年生は入学式の準備があるんじゃないんですか??』
「あ゛!!! だった! おら、行くぞクソマリモ!! 早くしねェと遅れるぞ!!」
「なんでオレがお前の指図を受けなきゃなんねェんだ! 自分で行ける!!」
「おいおい やめてくれよ〜 ただでさえこの学校は広いのにお前なんか探しきれねェよ。」
「あ゛!? 何だと!? やんのかテメッ!!」
「おうおう 望むところだ!返り討ちにしてやんよ。」
「「ウォォォォォォォォ!!」」
『あ〜 ルフィ』
「何だ?」
『二人の担任って誰だっけ?』
「あ〜〜、それは覚えてるぞ!! 確か・・・よい。って野郎だった!」
『・・・マルコ先生ね。』
「そうとも言う!」
『そうとしか言わない』
はァ・・・・。マルコ先生か。クザン先生だったら良かったんだけどな・・・。
仕方がない。
二人がああだから私が言いに行こう。でないと怒られそうだ。
でも一人も嫌だしな・・・・うし、ルフィもつれていこう。
『ルフィ、少し付き合って』
「おう!いいぞ!! どこ行くんだ?」
『マルコ先生のとこ またの名を〜〜〜
地獄の数学科 』
「 え。 何かオレ行きたくねェ・・・」
『さっき行くって言ったから ダメ』
「え〜」
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