▼ 響き渡る悲鳴
クー・・・クー・・・
偉大なる海グランドラインにあるとある春島
カモメの鳴き声、さざ波の音、桜の咲く丘と、いたって平和な島である
「キャァァァァァァァァ!!!」
・・・・・・・・見た目だけは
そう、ここは偉大なる海グランドライン――――――後半の海「新世界」
海賊達が暴れまわる海。
至る所に海賊がおり、海軍に守られなければ市民は安心して暮らせない。
そして、海軍支部から離れているこの島に「真の平和」などありはしない。
そんな島の洞窟に・・・・・
『…………あっちか』
最近、一人の人間が住み着いていた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
とある街の一角
今日も昼間であるにも関わらず、ならず者たちが我が物顔で歩き回っている
そもそも、無法者の溜まり場であるこの島には、まともな住人などいないので、歩き回るのはならず者しかいないわけだが
そんな町の中央で22,3歳ほどの女を下ひた笑みを浮かべながら囲んでいる10人程の男達
恐らく、海賊であろう
もちろん・・・・
助けようとするものはいない。
「キャァァァァァァ!!イヤッ!!離して!!離してってば!!」
兄弟達から気をつけろと言われていたにも関わらず、こんな事になってしまった。
情けなくも叫んでみるが、助けは来ないようで、柄にも無く涙が出そうだ。
(あー、もう!最悪!最悪よ!こんな奴らに目を付けられるなんて!!!)
「グヘへへへへ!!つれない事言うなよ
一人なんだろ? だったらオレたちとお茶しようぜ・・・!!ゲハハハハ!!!」
依然として気持ち悪い目で見てくる海賊共を些細な抵抗だが、ひと睨みする。
「嫌です!! 離して!!」
(連れ去られる訳にはいかないのよ!!!)
「おうおう、ねえちゃん。口のきき方には気を付けたほうがいいぜ?
ここにおられるのは我らが”グラニー海賊団”頭目!!
懸賞金4900万ベリー、グラッチェ・デパルダス様だ!!!
逆らわない方が身のためだぜェ?」
「だからなんだって言うんですか!!!
嫌だってさっきから言ってるじゃないですか!! 嫌なもんは嫌なんです!!
離してください!! 離して!!!!! 」
「ゲヘへへへへ・・・・!!残念!こんな上玉離すわけねェだろ!?
たっぷりかわいがった後 ヒューマンオークションで売ってやるよ!
女っていうのはいつの時代も男の為にあるものさ!
グハハハハハ!!」
(あぁ、たった4900万の海賊に!!!)
これで自分も終わりだと、これから始まるであろう日々を思った。
(もう、死ぬしかない。誇りを汚されるくらいならば、、、!)
(ごめん、皆、、、!)
そんな諦めが、心を占めかけていた時だった
「、、!おっ、おっ、お頭ァァァ!!!後ろ!うしろにッ!!!」
「ああん?後ろがなんだっ、、、」
ズガァァァァァァァン!!!
轟音がしたかと思うと、そこに男の姿は無く、横からボロボロと壁が崩れ落ちる音だけが響いていた
「ーーーーーかっ、はっーーーー」
「ギャァァァァァァ!!! お頭ァァァァァァァァ!!!!」
そして、男が立っていた場所に立つ1人の女
『女ってのはいつの時代も強いって!?
ハハハハハハハ!!!その通り!!!
よく分かってんじゃねェか!!!』
(あぁ、神様!!!)
突然現れた女が、まるで神のように、私には見えた。
あながち間違ってはいなかったのだが。
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