▼ 謎の女
「なっ、、、、!?」
敵襲の声に眠たい目を擦りながら、あら方身の程知らずの雑魚海賊共だろうと、甲板へ向かった俺は、そこに広がる光景に目を疑わずにはいられなかった。
「、、、っ!、、、エ、エース隊長、、、」
そこらで悶えのたうち回っているクルー達、もちろん、俺の部下もいる。
クルーが意識を失っているのは別に良い、寧ろ命があってホッとするところだ。
だが、その数はゆうに100を超える。
こんなのは俺が入ってから見たことがねぇ
いや、別に100がのされてることじゃねえ
考えられるか?仮にも"四皇"と呼ばれる海賊団のクルーが
この、白ひげ海賊団のクルーが
たった一人の女にやられてるなんてよ!!!!
総勢100名を超えるクルー達が対峙していたのは、たった一人の女だった
「、、っ、エース隊長、、、あの女、恐ろしく、恐ろしく強いです!お気をつけぐださい、、、!!!」
「、、、あぁ、そうだろうな、じゃなきゃこんなことになってるはずがねぇ。本当にあの女一人がこれをやったのか?」
「っ、はい、そうです。自分達が不甲斐無いばかりに、、、!」
「いやぁ、お前達は良くやったさ、後は俺に任せな」
幸運なのか不運なのか、マルコたちはまだ来てないようで、隊長達の姿は一人も見えない、どうやら俺が一番乗りだったようだ
まだ何人かのクルーが戦っており女はまだ俺に気づいてはいない。
闘い方を見て納得がいく。これではクルー達が手も足もでなくても仕方がない
ーーーーー速ぇ。
その攻撃の一つ一つが恐ろしく速い。俺でさえも見失いそうになる。
世の中にはこんな女もいるのか、と思った。
まぁ、四皇のビッグマムも女であるし、九蛇の女帝もいる。不思議ではないのかもしれないが、稀有な女であることには変わりない
そう思うと好奇心が顔を出し、そんな稀有な女の顔を見たいと思った。
「おい、うちのクルー達をこんなにしたのはお前ェか。」
丁度また被害者を出した女がこちらを向く。
一瞬、あまりの美しさに目を見張る。
だが、それは一瞬のことで
ーーーーなんだ、普通の女じゃねぇか。
おそらく角度とか何かで一瞬とてつもなく綺麗に見えたんだろう
「お、なんだ新手か?ここはやっぱりいつ来ても強ぇ奴ばっかいるからいいなぁ。数もいるし。丁度いい運動になるわ。」
そう、聞き捨てならない言葉を口にする女は、見た目だけはそこらの女と何ひとつ変わらなかった。
「、、、はっ、お前、うちのクルーを運動代わりにするなんていい度胸じゃねぇか。悪ィが俺はそう簡単には倒せねぇぞ」
「おぉ、いいねぇ、、、確かにお前は強いなぁ。ワハハ、そう来なくっちゃな!!!さぁ、来いよ」
「言われなくても、やってやるよ、、、!
"十字火"!!!!」
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