君がいないと世界は色を失う2




「ふふふ。何かあったでしょ」

・・・・もう、何もかもお見通しのようだ。

シャッキーさんには隠し事はできないなァ・・・としみじみ思った。

「・・・・・・家出しちゃいました。」

「あら。めずらしいわね。原因は?」

「・・・・・・今日、記念日なんです。付き合ってから4年目の

 ・・・・・・だから、今日は二人でお祝いだ!!って、家でお祝いする予定だったんですけど・・・・」

つい先週のやりとりを思い出す。

シャンクスと一緒に、何を作ろうかと、コックパットで色々検索して騒いでたなぁ。

あ、やばい、泣きそう


こんな所で泣くわけにはいかないと、堪えようとするものの、結局、溢れだす涙を私は止められなかった。


「仕事関係?」

「グスッ・・・シャンクスがっ・・・・まだ仕事終わらなさそうだからって・・・・」

『ホンッッットに、スマン!!!』と、電話してきたシャンクス

「相変わらず、忙しいわねェ・・・・」

「・・・・・・・グスッ」

そう、忙しいのは分かってる。いつもいつも夜遅くまでがんばっていて

部署は違うけど・・・違う部署によく働く若い腕のいい奴がいるっていう噂が私のとこまで聞こえるくらいだ。

分かってる。頭では。でも・・・やっぱり、ちょっと寂しいのだ。

去年も、一昨年も記念日を一緒に過ごそうって約束してたけど、結局ダメで

――――――いつの間にか家を飛び出していた。

「シャンクス君は知ってるの?」

「書置きとか何も残さなかったんで・・・あ、でも多分まだ仕事なんでばれてないと思います。」








「へぇーーー、それでかぁ」

何故かニヤニヤと笑うシャッキーさん。







「え、それでってーーー?」


どういう事ですか?と続けようとするも、それは突然腕を捕まれたことによって叶わない。




顔を上げるとそこには今一番会いたくない人物




「シャッキーさん、ちょっとコイツ借ります。」


「あら、レイちゃんは私のものじゃないわよ?ふふふ」


「じゃあ、借ります。」

私はもう、何でここが分かったの?とか、仕事は?とか、疑問で一杯になって、抵抗するのも忘れ為すがままに連れ去られてしまった。






再び静まり返る店内



「ふふふ。若いっていいわぁ。

ねぇ、レイさん?」


「ハハハ、全くだ。」


どこにいたのか、酒瓶を手に、初老の男性はさも面白そうに笑うのであった。

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