遺言

頂上戦争最後の刻






……なぁ………お前、俺のことが好きか

……どうしたの、いきなり。

俺は、お前が好きだ。

……何なのよ。どうしたのよ、今までそんな事一度も言ったことなんて無かったじゃない。

……俺は大事な時にしか言わねェ。

………それなら何で今言うのよ。
今は大事な時じゃないでしょう…っ!

今言っとかねぇと、
もう言えねぇかもしんねぇだろーが

…なっ、やめてよ!そんなことないから!
ねぇ、私のこと好きなら、置いていかないで!!!
お願いよ…っ…お願い…っ!

おいおい、泣くなって。かわいい顔が台無しだぜ。

、、、なっ、こっ、こんな時に何をっ、、、

…俺は好きだぜお前の顔。
いつも、くるくると変わって、見ていて飽きなかった。
あー、そうだった。俺がお前に惚れたのも、
こんな日だったなぁ。

…思い出話はいいから!喋んないで!
傷が広がるでしょう…っ!

俺ら最初はスッゲー仲悪くて、いっつも喧嘩してたなぁ。ゴホッ、、、俺、お前の事ホント嫌いだったよ。
口煩いし、そのくせ、俺より強かった。
今思えば、お前に嫉妬してたんだ。その強さに。

でも、いつだったか、俺がミスして、怪我して帰って来た時。お前が血相変えてでて来て。

俺を見たらボロボロ泣いて……お前、俺に何て言ったか覚えてるか?

「君が死んだら私も死ぬから!」だってよ

はは、あん時の顔は傑作だったなぁ。

俺は、そん時に思ったよ。俺のために死ぬなんて言って泣いてるこいつは馬鹿だ。
どこが強いもんか、俺が守ってやんねぇといけねぇ、ただの女なんだって。


なぁ、レイ、お前、俺といて幸せだったか?



、、、っ!、、、当たり前じゃない!馬鹿エース


、、、そうか、、、ハハ、なら、良かった、、、

レイ、お前、ちゃんといい女だからさ、
だから、早くいい男見つけろよ。

、、、レイ、俺ァ、お前を愛してる。
ずっとお前の幸せを願ってる、、、

、、、は、エース、何言ってんの。エースが私を守ってくれるんでしょう?
ねぇ、ちょっと、、、エース?エース?



冷たくなっていく体を掻き抱いて、必死に貴方の名前を呼んだのに、貴方は応えてくれなかった。

ねぇ、もう一度名前を呼んでよ。

もう一度笑ってよ。

冷蔵庫にしまってあるあんなにたくさんのお肉どうするつもりなの?

ねぇ、エース

、、、、愛してくれてありがとう、だなんて

何でそんなに幸せそうに笑って、、、
私を残して逝ってしまったの


私の幸せはあなたの側にいることしか無かったのに



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