君がいないと世界は色を失う1
「はァーーーーーーー」
っていかんいかん。 溜め息ついたら幸せにげちゃう
いや、逃げて行くくらいの幸せなんてないのかも
いやいや、そんなことないない。
幸せなんて自分から見つけていくものだし
うん。だよね。そうそう。きっとそう。
あ、申し遅れました、私レイと申します。絶賛萎え中でございます。
「レイちゃん お待たせ― スペシャルドリンクよ」
この方はシャッキーさん。バー・シルバーのママさんで、ご縁もあって私の行きつけのお店です。
「あ、ありがとうございます。 シャッキーさんの作るお酒はほんとおいしいです」
「あら、そう言ってもらえるとうれしいわ」
「いえ、本当のことですから!!」
「ほんとレイちゃんはいい子ねーー また明日もおいでね?サービスするわ」
「わ、いいんですか?ありがとうございます。ほんといつもいつもすみません。」
「ふふふ、いいのよ」
シャッキーさん、いつみても綺麗です。
フワリと微笑むシャッキーさんは、自称30歳。
最初は信じちゃったけれど、常連さんから店を開いて40年くらいたつらしいと聞いてからは、もう、何というか、恐ろしくて聞くに聞けない。
・・・・何歳なんだろう。聞いてみようかな。
うん。美の秘訣を今日こそ!!!
決死の覚悟で振り向くが、そこにはいない。
というか、お店にはもうお客さんもいない。
・・・・・・
他のお客さんはもう帰ったようなので、大きめの声で呼んでも大丈夫だよね
「シャッキーさん!あのーーーー!」
「いい?大人の世界にはねェ・・・聞いちゃいけないものってのがあんのよ!!!」
と、突然大声が店の奥から聞こえてきた。
その普段とは似ても似つかない怒鳴り声に、本能から感じた。
こっ、、、殺される!!!
これは謝るしかない。でないと死ぬ!
「ヒイィィィ スイマセンスイマセン!!思った私がバカでした!!もう、二度と・・・」
「分かったら、二度と連絡してこないで!!!」
ガチャン!!という音と共に静まり返る店内。
・・・・電話中でしたか。
ふーーー 危ない危ない。 冷や汗でたーー
もう聞かないでおこう。
固く心に誓ったところで、シャッキーさん特製カクテルをいただく。
わァ、やっぱおいしいや。
「・・・・・ところで―――――
シャンクス君は一緒じゃないの?」
ゴフッ!!!
いきなり話しかけられた驚きと、その名前が出たことの驚きが相重なって思わず噴出す。
「ゴホッ・・ゥゲホッ・・・・い・・・いきなり何ですか・・!?」
「あら、聞いちゃいけなかったかしら?ごめんなさいね。」
そう言ってカラリと笑うシャッキーさん。
確信犯だ……!!!
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