カーテンからそよそよとふく風で目が覚めた。見渡すといつものピンクのわたしの部屋には変わりないのに、となりにすやすやと眠る風丸くんがいて、なんか変な感じだけど嬉しい。
すこし肌寒くなって、近くに散らばっている服を着ようとベッドから降りようとしたら、くんっと腕が引っ張られてまたふかふかのベッドに逆戻りする。


「風丸くん」
「寒いなら、まだベッドの中にいればいいだろ」
「ふふっそうだね。あったかい」


風丸くんは満足したのかふっとおおきなくりりとした目を細めて笑う。わたしはこの表情がとってもすき。胸がきゅうっとなって風丸くんの華奢だけど大きな背中に腕をまわして抱きついた。


「ん?どうした?」
「ううん、何にも」
「そうか」
「うん、ただね、」
「ただ?」
「しあわせだなぁって」
「…俺も」


同じこと考えてた。
わたしの頭から降ってきた声に嬉しくて胸にうずめてた顔をあげようとしたら、おでこにちゅっとキスが降ってくる。


「…ずるい」
「?」
「なんでそんなかっこいいの」
「…あーもうあんまりそういうこと言うなよ」
「なんで?」
「理解してくれ」
「!……風丸くんのえっち」
「なっ」
「…でも、好き」
「…俺も」


あったかいぬくもりに抱かれながらもう1度眠りについた。しあわせな夢が見れたら、いいなぁ




砂糖菓子の湖


110423 企画「紅茶漬けの刺繍」様に提出

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