「起きて、なまえ」
「…んぅ…?ヒ、ロト…?」
「…ほら、早く起きないと遅刻しちゃうよ」


そう俺が言うとなまえはのそのそと起き上がりベッドから抜け出して、まだ眠いのか目を擦りながらおはようと言う。朝ご飯できてるから顔洗っておいで、と言うとなまえはちょっと悲しいような顔をした。ん?俺なんか悪いこと言ったかな…



「…おいしい」
「そう?よかった」
「………」
「…なまえ?」
「あ、の」
「うん?」
「…ご、ごめんねっ!」
「?なにが?」
「わたし…彼女なのに、ヒロトのが早く起きて朝ご飯まで作ってるし…おまけに美味しい…」


ほんとはね!わたしがヒロトよりずいぶん早く起きて、おいしい朝ご飯作ってヒロトを起こしに行く予定だったの。とぽつぽつと本音を零してしゅんっとなってるなまえが愛しくなってぎゅっとしそうになった手をこらえてなまえおでこにちゅっと可愛いらしいキスをした。


「俺は、こうしてなまえに美味しいって食べてもらうのが好きなんだ」
「…でも、」
「気持ちだけで嬉しいよ。それに、」
「?」
「なまえの可愛い寝顔も見れるしね」
「っ!」


そう言うと、明日は絶対ヒロトよりはやく起きて起こしにいくんだから!なんて言ってたけど、まあ無理だと思う。それに、朝からセーラー服姿のなまえなんて見たら、そのままベッドに引きづりこみたくなるし、ね。そこらへん分かってほしいよ。


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テーマ「人外ファンタジー」
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