「はぁはぁ…や、やっと着いた…」
「…相変わらず体力ないね、なまえは」


まあそんなところがなまえらしくて可愛いんだけどね、って言うとかあっと顔を真っ赤にして俯いて照れる。はぁ、やっぱり可愛いな、俺の彼女は。

今着いたこの場所は俺たちが春から住むアパート。そう、同棲ってこと。

俺たちはけっこう年が離れてるカップル、いわゆる年の差カップルというやつだ。なまえと俺の馴れ初めは…いずれ話すとして、まぁ俺たちはこれから同棲を始める。
だけどこの同棲をする前に色々と大変だった。なにが大変だったかって?…なまえのお父さんだよ。説得するのにすごく時間がかかった。
同棲するきっかけは、なまえが「ヒロトと一緒に住みたいなぁ」なんて言ったからなんだけどさ。単純だけど、でもさ、あの可愛い彼女の頼みごとを断れる男がどこにいるっていうの?まあ俺もなまえが高校卒業したら一緒に住もうと思ってたからちょうどいいんだけどね。
そんなこんなで、相手はあのなまえのことを溺愛してるお父さんだから、一筋縄じゃいかなかったんだ。で、俺の苦労の末やっとのことで同棲を許してもらったわけなんだけど…その許してもらうときの条件が、ね。なまえが卒業するまで絶対に手を出さないこと。


「…ヒロト?」
「ん?なに?」
「ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします」
「…こちらこそ」



……大丈夫かな、俺


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