※現パロっぽい




「で?私のことを嫌いと言ったのはどの口だ」
「……」


しまった、どうしよう。その場の勢いで大嫌いなんて言ってしまった。そんなこと言うつもりなんてなかったのに。勢いで言っちゃってどうしようもなくなって逃げたけど、運動神経も勉強もなにもかもずば抜けてる先輩に敵うはずなんかもなく捕まって壁に追いやられた。つまりわたしに逃げ場なんて、ない。


「…なんとか言ったらどうだ?」
「……」
「だんまり、か」


はあ、と目の前でため息をつく音がきこえた。あれ、なにこれ。もう終わり、な雰囲気?なんか涙でてきた。わたしが今泣いたって、めんどくさい女だって思われるだけ、


「なまえ」
「…?」
「こっち、向いて」


先輩がサラっと長い髪を耳にかけた。あ、その表情すごく、すき。先輩すき、すき。そう思ったら目から涙があふれた。我慢、してたのに。


「せ、んぱい…っ」
「ん?」
「ごめ、なさっ…、せんぱ、す、き…!すき…っ」
「…ああ、知っている」
「ん、っ」


馬鹿みたいにすき、すきと言って泣くわたしに、ちゅ、ちゅと顔やら首にキスをおとしてくるのがくすぐったくて身をよじる。しょっぱいな、とか可愛いとか耳元で言われると腰がくだけそうだ。


「もう、涙は止まったか?」
「はい…」
「そうか」
「あ、のっ」
「なんだ」
「さっきの、ホントじゃないですから、…嫌いとか」
「ヤキモチ、やいちゃったんです…先輩と潮江副会長、仲いいし…あの、ホントこんなめんどくさい女でごめんなさ、っ!」
「…面倒臭いと思ったことはない。私はいつでもなまえが可愛いんだ」
「せんぱ…」
「それに、嫉妬なら私のほうがしているからな」
「っ、ん」
「……(可愛い)」
「せ、せせんぱいっ、ここ学校…っ」
「誰も来ない」
「え、あの、そういうことではっ…ん、」
「少し、黙っていろ」





120219 やきもち / 立花仙蔵
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