「あきおちゃんあきおちゃん」
「ちゃん付けすんな」
「あきお」
「…なんだよ」
ちゃん付けすんなって言われたから呼び捨てにしてみたんだけど、そしたらあきおちゃんったら可愛いの!顔あかくして、それがバレないようにそっぽ向いてるつもりなんだろうけどバレバレだよ。ああもう可愛いなあ!
「で、結局なんの用だよ」
「あーえっと秋ちゃんに言われてやってきました」
「は?」
「あのね、あきおちゃんいっつもトマトばっかり残すでしょ?だから好き嫌いを直しにきたの」
「…へぇ」
へぇって反応うすいよあきおちゃん!てゆうか何で秋ちゃんわたしになんか頼んだんだろう…秋ちゃんが言えばいいのにって言ったら、なまえちゃんじゃないとダメなの!とか言われたし…
「…で?」
「ん?なに?あきおちゃん」
「どうやって俺の好き嫌い直すんですかー?なまえチャンは」
「え、えっとですねぇ……」
「んだよ、考えてねぇのかお前」
「申し訳ないです…」
阿呆だろお前ってわたしを散々ののしったあと、何かひらめいたような顔したあきおちゃん。ん?なんか嫌な予感しかしない…
「なぁ、」
「な、なんですかあきおちゃん」
「口移しでなら食べてやってもいいぜ?」
「は?!く、くちうつしってあれですかキスですか接吻で「あーもううっせえ黙れ」っ…」
あああれ?わたし今あきおちゃんにちゅーされた…トマトもないのに普通のキスされた。なんて頭のなかでぐるぐるしてるといつの間にか手の中にあったミニトマトはわたしの口の中に放り込まれていて、あきおちゃんの顔がめのまえにあった。なんということ!あきおちゃんは可愛いこではなくてかっこいい男の子でした。
「今のは予行練習だ、本番はこれからだぜ?」
(やっとあの2人くっついたみたい!ね、音無さん)(そうですね!あの2人はたから見たら両思いなのに、いつまでもじれったくて!)