「ちょ、ちょっと!」
やだって言って彼の肩を押してみても、なんの効果もなかった。わたしは朝からバタバタしてとっても忙しくて、今とっても眠いのだ。昨日だってろくに寝てないのに。なのに、この男ったらまたいつものように寝不足でふらっと倒れたと思ったら、今度は一週間も寝続けて、ただいま盛り中なのだ。
「梵天っ!」
「…なんだい」
彼は間近でキレイな顔を歪める。…むしろわたしの方が不機嫌になりたいんだけど。
あーだこーだわたしが言ってる間に、あっという間に唇は彼のそれで塞がれた。うるさいよ、とでも言うように。
「っ…」
唇を離した彼は満足げに口端を釣り上げた。そんな彼のキレイな瞳にぶつかると、もう目を逸らせない。
「……本当に、君には適わないな」
「…え?」
彼はおでこにキスを落とすと、わたしを抱き合げた。
「…え、まさか…」
…するの?
布団の上に寝かされて彼が覆い被さる。君が誘ったから悪い、と一言耳元に残して、わたしはまどろみの中に沈んでいった。
1101123 ミルクティーの思惑