「すき」



この一言を言うのにかかった期間1年と2ヶ月。あなたが好きな人いる、なんてそんなこと知ってる。多分あの水谷サンだと思う。振られるのも承知。
だけど、だけどねもうこの気持ち抑えられない。あなたに会って話して、この気持ちはどんどん膨らむの。



「…で、アンタはどうしたいの?」
「……どうって…」



付き合ってくださいもなにもないじゃない。なんで山口くんはそんなこと聞くのかな。



「だって…」



だって山口くんは水谷サンのことが好きなんでしょ?

そう言ったら山口くんは一瞬驚いたように目を見開いてわたしを見てから、今度は呆れたように盛大にため息をついた。



「オレがいつ水谷サンが好きなんて言った?」
「……女の勘?」



そう言ったらやっぱりまたいつもね呆れ顔。いや、そんなところも好きだけど。



「言っとくけどオレ水谷サンが好きなんじゃないから」
「…え、じゃあ誰なの…?」



誰なの?って聞いたらむすっとした顔になって「自分で考えれば?」なんて言われた。


その怒った意味もその言葉の答えも分かるのはたぶんもうちょっと先。



101225


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