「ねえねえ、日吉!卵の黄身と白身どっちが好き?」
我ながらいい策だと思った。日吉はわたしの(一応)彼氏なのに、わたしに好きって言ったことがない。だから意地でもきみが好きって言わせてやるのだ、なんてベタな作戦だけど馬鹿なわたしにはこれくらいしかおもいつかなかった。
「…は?なんですか、その質問」
「いいからいいから!答えてよー」
「…白身」
ま、まさか!白身って言うなんて思ってなかった。でも、ここで引くわけにはいかないの!
「じゃ、じゃあ…腐った白身と黄身だったらどっちが好き!?」
「……はぁ」
「な、なに!」
「…全く馬鹿ですね」
馬鹿ですね、て言われて日吉が近づいてくる。え、な、なななに!
「…そんなことしなくても言いますよ」
「…?」
そう言って日吉はわたしの耳元に口を近づけて、それだけで真っ赤になるっていうのに、「好きですよ、先輩」なんて言うもんだからビクってして涙がでた。
「…何泣いてるんですか」
「だっだって嬉しくて…」
「先輩はそういうの、下手すぎなんですよ」
「…分かってたの?」
「分からない方が不思議だと思いますけどね」
「…あのね、」
「何ですか」
「わたしも…大好き」
愛してください、心から
100829
title:少年チラリズム