「すっごいきれい!ねっ、忍足ー見て!」
「そないはしゃぐと転ぶで?」


もう、また子供扱いして!なんて言ったらクスクス笑って頭をくしゃって撫でられる。
でも、この綺麗な星空、はしゃがずにはいられないよね、うん。それに、仮にも好きな人と、一緒に帰れるのは嬉しい。そうです、わたし忍足謙也に絶賛片思い中なのです。なんでこんなへたれなやつ好きになっちゃったのか、分かんないけど。


「ほんま、きれいやなあ…」
「え?あ、うん」


あーびっくりした。なんか急に真面目な顔してきれい、なんて言うから。


「なに変顔しとるん」
「なっ!もとからこうゆー顔なんですー悪かったね!」
「嘘や、可愛ええって」
「!」


もう、忍足の馬鹿。そんな不意打ちに可愛いとか言わないで。今が夜でよかった、本当に。照れ隠しにうっさい、馬鹿なんて言っちゃった。ああほんと可愛くないわたしってば。なのに忍足はそんなことも気にしないで「馬鹿はないやろ、馬鹿は」って冗談混じりに返してくれる。もーほんと、好き。


「あーあ、俺のもんにならへんかな」
「は、星が?」
「ちゃう、」
「…じゃあ、なにが?」


忍足の言ってることが分からなくて頭にはてな浮かべてたら、忍足にぎゅって抱きしめられて耳元でお前って言われた。


「……は」
「なんや、聞こえんかったん?なら、もう一回言ったろか?」
「や、あの聞こえたんだけど…」
「そか、ほなら返事明日聞くし」


ほなて言って去ってく忍足をぼーっと見ていた。え、明日どうすればいいの。
たぶん今日は寝れそうにない。





星屑メルヘン
(あーもう、寝れへん!明日どないしよ)


100814

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