ああもうなんだ、これ。せっかく俺、先輩に「昼休み、屋上きてね!絶対だよ?」なんて可愛くお願いされたから来たのに。寝てるし、この人。俺、弁当まだ食ってねえのに。てゆーか、無防備すぎだろ先輩。こんなの俺じゃなかったら襲われてるって絶対。
ひとまず先輩を起こしにかかる。


「先輩、起きてくださいよ」
「…ん、」


俺が体を揺すった所為で先輩が寝たままでこっちに寝返りをうつ体勢になった。ちょ、これやばいんですけど。なにこの可愛い人。思わず先輩をガン見してしまった。普段は大人しくもないし元気でうっとおしいぐらいなのに、やっぱ寝てると、違う。瞑られた目から伸びる睫毛は長くて、触ったら柔らかそうなほっぺに、小さくてピンク色の唇。


「…まじで襲われますよー、先輩」
「………赤也は襲わないの?」
「!…起きてたんスか!?」
「ふふっ、なーんか赤也の反応が可愛くって」


この人、絶対小悪魔だ。てゆーか「赤也は襲わないの?」って俺に襲ってほしいってことか?そうだったらすんげー嬉しいんだけど。


「へへ、実は最初から起きてましたー」
「…なんで寝たフリしてたんスか?」
「うんと…赤也を誘惑…?」
「なんで疑問系!」


なんでかなーなんてクスクス笑う先輩は可愛い。しかも誘惑って…それって、襲ってくれって言ってるようなもんだよな。


「そんじゃ、先輩の望み通り襲ってあげる」
「ふふ、赤也ったら狼なんだから」






チラリズム、君の誘惑
(アンタが可愛いすぎるんだって)


100809

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