一体全体どうなっているのか、わたしにも不明である。
「先輩、俺と付き合ってください」
「…………は、」
ぐるぐる日吉の言葉が頭の中で響く。いつもは使わない頭を今ばかりは一生懸命働かせて考えてみてやっと分かった。日吉に告白されたってこと。え、でも待って、有り得ない。いつもわたしのこと先輩と思ってもないようなこと言われたり、意地悪言われたりしたのに…!絶対わたしのことなんて嫌いなんだと思ってた。
あ、もしかしてこれなんかの罰ゲーム?そうだ、そうだよね、そんなんじゃなかったら日吉がわたしに告白するなんて有り得ない。また氷帝陣にからかわれたのか。
「もう日吉たら水くさいなあ!はやく言ってくれればよかったのに、」
「…なんのことですか」
「なに?しらばっくれちゃって、罰ゲーム、なんでしょ?」
わたしが自信満々にそう言ったら、はぁって呆れた顔でため息つかれた。え、違うの!て言ったら違います、て即答でかえってきた。
「何をどう考えたらそうなるんですか」
「…ごめん」
「俺、本気ですよ」
壁に追いやられて顔の横に手をつかれる。顔、顔近い…!日吉の真っ直ぐな瞳と視線がぶつかる。
「…返事、くれますよね」
「あああ、あ、の!」
はやい展開についていけなくて、日吉の腕に囲まれた中であたふたする。心臓は今までにないぐらいどきんどきんしてて、顔に一気に熱があがる。
「俺のこと、好きですよね?」
耳元で言われて、もう頷くことしかできなかった。
シュガーロマンチスト
(好きな子ほど苛めたい、て言うじゃないですか)
100807