ああほんと神様っていじわるなんだってことが分かった。なんでよりによってこの人と日直なの!
二人きりの教室で日誌書くなんて少女漫画でよくあるベタな展開。そりゃあわたしだって少しはそういうの期待するよ?でもよりによってわたしの最も苦手とするあの白石とだなんて!
「どうしたん自分、ぼーっとして」
「あ、いや、別に…」
「そか?ならええけど」
ああほんとこの人苦手。この無駄にキラキラした笑顔とか優しいとことか、普通の女の子だったらきゅんって胸鷲掴みだろうけどさ、わたしいわゆるイケメンってやつが苦手なの!さっさと日誌書いちゃって帰ろうと思ってガリガリとシャーペンを動かしてたら不意に白石が口を開いた。
「自分、いっつも俺を避けとるやろ」
「えっ、」
「…図星やろ?」
「そ、そんなこと…」
ば、ばれてる!でも、なんで?白石と違ってクラスでも平々凡々なわたしのことなんて眼中にも入ってないと思ったのに。て、いうかそんなにキラキラパワー全開な笑顔でこっちを見ないでください。
「なぁ、なんでなん?」
「………」
「…答えんのなら、キスするで?」
「は!?ちょ、ストップ!言う、言うからっ!」
あ、しまった。にこーって頬杖をつきながらこっちを見てる白石。もう最悪。よし、こうなったら本当のことを言ってさっさと帰してもらおうじゃないかそうしよう、うん。
「えっと…わたし実はイケメンという部類ものが嫌いで…」
「……へ、それで俺のこと避けとったん?」
「う、うん?」
なに、なに!なんで目の前の男はこんなに笑っていらっしゃるのでしょうか。訳わかんないどうしようって思ってたら、あ、そや!って急に何かひらめいたみたいに顔あげた。
「ええこと思いついたわ!」
「え、なに…?」
「イケメン嫌い病をなおすんや」
「は、」
「ええ考えやと思うやろ?」
「…てゆうかどうやってなおすの?」
「そうやな…たとえば、」
「たとえば…?」
「俺と付き合うとか、どうや?」
たとえば、ロミオに立候補
(ずっと前から好きやったんや)
100715
title:確かに恋だった