あの、今の状態は何なんでしょうか。なんか部室の壁と柳生くんに挟まれてるのですが!


「あ、あのー」
「はい、なんですか?」
「あの、この状況はなんなんですか」
「あなたにアプローチしてるつもりだったのですが、分かりませんでしたか」
「え、あの、告白なら断ったんだけど」
「おや?私がその程度で諦めるとでも?」


そう数日前に柳生くんに告白された。とくに恋愛ごとに興味のなかったあたしはごめんなさい、と断ったのだ。なのに今のこの状況!どうやら柳生くんは本気であたしを振り向かせようとしているみたいです。


「恋愛に興味がないなら、私に夢中になってもらうまでです」
「…は、」
「そうですね、まず手っ取り早くキスでもしますか」
「え、ちょ、まっ…!」


え、キスとか!つき合ってもないのにキスとか!ぎゅうって目をつぶったらほっぺに柔らかい感触のなにかが当たった。


「ふっ、誰も唇にするとは言ってませんよ」
「っ!ば…」


馬鹿って言おうと思ったら唇に、キスされた。

「不意打ちです」


今あたしの顔はたぶん真っ赤だと思う。





かたおもい赤信号
(心までも奪われた、かも)


100713

title:HENCE

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