「なまえ!」 イーブイと一緒に昼寝していると、この家の主であるグリーンが私の名前を叫びながら部屋に入ってきた。うすく目を開けてグリーンを見るけど、視界がぼやけてよく見えない。 「どーしたの?」 目を擦りながら身体を起こせば、いつの間にこちらへ来たのか、グリーンががしっ!と私の両肩を掴んだ。ぎょっとしてグリーンを見れば、彼の頭には見慣れた、だけど見慣れない耳が生えていた。 「イーブイ?」 「…やっぱりか」 はあ、とため息をはいて顔面を手で覆うグリーン。グリーンの感情と連動するように垂れ下がる耳。よく見ればふわふわのしっぽも生えている。 なんだこれは。ちょっと可愛すぎやしないか。 完全に無意識だった。私はグリーンの頭をよしよしと撫でた。 「…なにしてんだよ」 「いや、あまりにも可愛すぎるもんでつい…」 「つい、じゃねーよバカ」 なんて言いながら、耳は垂れ下がったまま、しっぽが猛烈な勢いで左右に揺れている。 なんなのこの子。可愛すぎる! たまらなくなり抱き着けば、グリーンは「やめろ!」と叫びながらじたばたし出した。 「グリーンかわいい…」 「?!」 「イーブイみたい」 そう言ってにへら、と笑うとグリーンは黙り込んで、私の肩に顔をうめた。それでもふわふわのしっぽは絶えず左右に揺れていた。 |