ゆめ | ナノ



「なまえ、見て」
「なにそれ」
「朝起きたら生えてた」



目の前にいつもどおりの無表情で佇むレッドを凝視する。

頭には見覚えのある黄色い耳。後ろを見れば、これまた見覚えのあるギザギザのしっぽ。

どこからどう見てもピカチュウだ。



「レッド、試しにぴかちゅ、って言ってくれない?」
「?」



レッドは不思議そうに首を傾げる。その都度、ピカ耳としっぽがゆらゆら揺れてなんていうか、目に毒である。可愛すぎる。



「…ぴかちゅ?」



レッドが首をこてん、と傾けながらそう言った途端、私の中のなにかがぶち切れた。



「もう無理!我慢できない!レッドさん、ちょっとその耳触らせてください」
「ん。いいよ」
「ちょちょちょ、ちょっと待って!なにしてるんですか!」



いいよ、と言いながら私の上に覆いかぶさってくるレッドの胸を押し返す。



「僕のコレ、触りたいんでしょ?」
「う、ん」
「だったら僕も触っていいよね」



しれっと言いながら頬を撫でるレッドに、頬が真っ赤に染まった。



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