ゆめ | ナノ



夕食を食べ終わり、3人でロビーへ向かう。夕食のときにベルとたくさん話して、お互いを敬称をつけずに呼ぶようになった。女子というのは一度打ち解けてしまえば、早いものである。


「ねえ、そういえば聞いた?」
「なにを?」


私たちがロビーにつくと、同じクラスの子が話し掛けてきた。問い掛けに問いで返せば、あのね!と話し出す。


「ナイトハイキングなんだけど、ウチらのクラスだけ肝試し大会になるらしいよ」
「きっ!」


肝試しだと?!

頭の中に、一瞬でおどろおどろしい風景が浮かんだ。ちなみに私は小さい頃から心霊写真とか怪談話とかが大嫌いだ。もちろん肝試しも無理なわけで、これから肝試しをすると考えるだけでくらくらする。


「なまえ、大丈夫?アンタ恐いのダメでしょう?」
「そうなの?だいじょうぶ?」
「あ、はははは。大丈夫、大丈夫!本当にちょっと苦手なだけだから」


とは言ったものの。頭の中には嫌な想像がいっぱい浮かんでくる。お墓の前に立つ白い幽霊とか、テレビから出てくる4足歩行の幽霊とか、にゃーって泣く子供の幽霊とか、ああー、考えるだけで鳥肌立ってきた。


「わ!」
「きゃあああああああ!」


突然後ろから肩を捕まれて、びっくりして叫びながら離れると、いつも無表情なレッド先生が、微笑みながら立っていた。その光景が幽霊の何倍も怖い。


「れれれれれ、レッド先生なにするんですか!!」
「みょうじ、怖いのダメなの?」
「ダメじゃないですよ!」
「…ふーん?」


レッド先生は嫌な笑みを浮かべると、ふらりとどこかへ行ってしまった。

あーもう!

すっごく、すんごーくカッコイイんだけど…
レッド先生、恐ろしすぎる!!!



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