ゆめ | ナノ



『もう俺に近付かないで』



トウヤの言葉を頭の中で何度もリピートする。私はトウヤに突き放されたのだろうか。違う。突き放させてしまったのは、私だ。私が曖昧なことをしてしまったからこうなってしまったんだ。トウヤは自分のことを好きじゃないなら近付くなと言った。じゃあ私はトウヤのことが好きなのかと問われたら、分からない。なにも分からない。



「分からない…よ」



トウヤの気持ちも、これからどうするべきなのかも、自分のことでさえ、私には分からない。私はどうすればいい。誰か私に教えて。そのとき、ケータイがタイミングよく鳴り響いた。



『もしもし。なまえ、今なにしてるのー?…って、なまえ?』
「…コト、ネ」
『なまえ…泣いてるの?なにがあったの?』
「わかんない。コトネ、私わかんないよ」



私、どうすればいい?



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