ゆめ | ナノ



「今日泊まってく?」



そうなまえが言った瞬間、俺は心の中でガッツポーズを決めた。今までなんだかんだ、緊張してキスすら出来てなかったが、俺は今日決める。やってやる。小さく気合いをいれる俺をよそに、なまえはあくびをしながら、こちらを冷めた目で見つめていた。



「グリーン。お風呂入ってきたら?」
「…そうする」



早速心折れそうだ。湯舟につかりながらため息をついた。でも今日の俺は諦めない。せっかくのなまえからの誘いを無駄になんか出来ないぜ!再び気合いを入れ、浴室の扉を開いて、俺は目を丸くして、悲鳴をあげた。



「うわあああっ」
「あ」
「おっ、お前、なにしてんだよ!」



なぜか脱衣所になまえがいて、俺は慌てて浴室の扉に身体を隠す。つーかコイツまじなにやってんだよ。



「ごめん。タオル出してなかったなあと思って」
「ああ。わり。ありがとう」
「うん。早く身体拭いて出てきてね。いつまでもここにいたら風邪ひいちゃうから」



そう言ってなまえは脱衣所をでていった。



「なんつーか…」



気合いを入れる云々以前の問題だ。



「俺、男として見られてない…?」



一人残された脱衣所でボソリと呟き、タオルを抱えたまま、うなだれることしか出来なかった。





0120
不憫なグリーンは本当にかわいい




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