ゆめ | ナノ



【変態】
@動物が幼生(幼虫)から成体に移る過程で形態を変えること。また,その過程。
A性的倒錯があって,性行動が普通とは異なる形で現れるもの。変態性欲。



今宵も、私の元には変態が舞い降りる。



「なまえー」
「…」
「なまえ、無視?放置プレイ?」



絶対に返事なんてしてやるもんか。



「俺、お前に嫌われる様なことした?」



その問いに答えるとするならしてるけど、そんなこと、そんな悲しそうな顔で聞かれたら、うんなんて言えないじゃない!



「卑怯者」



トウヤはにっこりと笑って、私にぎゅっぎゅっと抱きついてくる。それを引き離そうとする私に、トウヤは笑顔で問うてくる。



「なんで怒ってんの?」
「自分の胸に聞いてみたら?」
「じゃあそうする」



おっ、考え出した。真面目な顔してれば、かっこいいのに…。


ドサッ



「…ホワッツ?」



なにこの状況。思わず苦手なはずの英語が出てきてしまったじゃないか。



「えっと、何してんの?」
「いや…、自分の胸に聞いてみたら、体に聞いた方がいいって」




だから、聞いてみようと思って、と純粋そうな笑顔で微笑むトウヤ。

騙されてはいけない。こいつの頭の中は、どピンクだ。その証拠に、今だって私を天井と一緒に、至極楽しそうな顔で私を見下ろしている。

そうだ。騙されるな。



「離せこの、万年脳内18禁が」
「お、言ってくれるじゃん。否定はしないよ。俺の妄想…知りたい?」
「知りたくありません」
「なまえは、荒縄とネクタイ、どっちで縛られたい?」
「いや、どっちも嫌です。ていうか、人の話を聞いて…」
「分かった。じゃあ、制服プレイで、いこうか。さ、このセーラー服を着て」



私の話を聞かずにサクサク話を進め、セーラー服を取り出したトウヤに、私は叫んだ。



「嫌だああ!何新たな扉開いちゃってんの!」
「なまえは俺のクラスの生徒って、設定で」
「ちょっ聞け!」
「聞こえない」



ああもう。どうしてこうなるの。



「それじゃ、いただきます」



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