ゆめ | ナノ



今日の夜ご飯は、私が疲れていたため、オムライスを作った。食器は珍しくトウヤが自分から率先して洗い出した。多少悪いとは思っているらしい。



「…なんか雨強くない?」



現在時刻は午後8時。先程からやけに強く風が窓を叩いている。



「昨日天気予報で言ってただろ?夜から激しい雷雨に注意って」
「あーそんなこと言ってたような、言ってなかったような」
「つまり聞いてないんだな?」
「まあ、そうね」



なんて会話をしながら、私は今にも布団に逃げ出したい気持ちだった。さっきからゴロゴロと雷が鳴っている。ときたま、雷が落ちるような音も鳴っているし、雷なら平気。



「…なまえ?」
「あっ、ごめん…」



知らず知らずの内にトウヤの手を握ってしまっていたみたい。急いで離した私の顔をじいっと見て、トウヤは私が離した手を握った。



「雷、怖い?」



その問いに私は首を振る。



「怖くないよ。怖いのは、雷じゃなくて…」



その時、ひときわ大きな雷が落ちて、一瞬にして家の電気が全て落ちた。瞬間、私は近くにいたトウヤにしがみついた。



「なまえ?!」



トウヤが驚いたような声を上げて、震える私の肩に手を伸ばした。



「…暗いのが、怖いの?」



私はその問いに、ただただ頷いた。小さい頃、たまたま留守番していた日も、こんな雷の日だった。あの日私は、雷の鳴る暗い部屋の中に一人取り残されて…。だから未だに暗闇が怖いのだ。そんな私の肩をトウヤはしっかり抱き寄せると、背中をポンポンと叩いて、私の頭を撫でた。



「ほら、大丈夫」



そんなトウヤの優しさに、すごくすごく安心してしまい、疲れも相まってか、そのまま眠ってしまった。



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