優しい木漏れ日、またいつか
▼心機一転
ひんやりエリア、洋装店【star】店長のラウです。本日は天気もいいので、最近通うようになったお店を紹介したいと思います。 ぽかぽかエリアにあります、アンティークショップ【corposant】さんです。ここは古き良き時代の骨董品などが数多く陳列され、少し古い世界の香りがします。非現実的な例えですが、まるでその時代へとタイムスリップしたような印象を憶えました。オルゴールからは柔らかい音色、少し古惚けたドールなどはお行儀よく列を成して座っています。 では、店長であるフラムさんにお話を伺いたいと思います。
「フラムさん、本日は来店させて頂きありがとうございます。」 「いいえ、アンティークに興味を持ってもらえると嬉しいですから。」
とても暖かな笑みで歓迎されました。アンティークの中に佇むフラムさんは、等身大の人形のような印象を持ちます。丁度家具のぐらつきがあった為、新しい陳列テーブルを購入しようと立ち寄りましたが、お茶を頂いてしまいました。とても美味しいです。
「ラウさん、今日はどんなものを探しに来たんですか?」 「テーブルがひとつ、調子が悪いので新しいものがないかと。」
売り物であろうチェアに誘導され、同じく売り物であろう小さな文机にビスケット菓子の乗った皿を出されました。何処の商品でしょうか、甘みが控えめでお茶にとても合います。
「アンティーク調のものならば、洋装店にも違和感なく溶け込むかと思いまして。」 「それでしたらちょっと待ってくださいね……えっと、痛っ!」 「足元には気を付けた方がいいかと。」
恐らくテーブルを紹介して下さろうとしたのでしょう。まるでコメディを見ているかのようにフラムさんは椅子の足に引っかかって転び、そのままの勢いで店の奥まで転がっていきました。ヒトはここまで豪快に転ぶことが出来るのだと、改めて再認識しました。
「いたた……ああ、これです。」
商品を見つけたようで、私は頂いたビスケットを皿に戻して手を拭いた後にフラムさんの後へと続きました。そこにあるのは優しい木目調に鮮やかな金細工が施された、少し年季の入った長テーブルです。 許可を得て触りましたところ、木材特有の温かみと肌に吸い付くような手触りが心地の好い品でした。きっとこのテーブルを愛用していた方は大切に扱ってくださっていたのでしょう。
「ではこれを。」 「ありがとうございます。」
即決で購入です。こういったものはその場で決めないと、誰かに先を越されてしまう可能性があるからです。洋装品の買付と同じです。 お茶とビスケットのお礼を述べて店外へ出ました。問題はこのテーブルをどう運ぶかですが、フラムさんはそれを見越していたようで台車を用意して下さりました。とても助かります。 これでまたひとつ、当店にも見所が出来ました。皆様、もしよろしければアンティークショップに足を運んでみては如何でしょうか。
* * * テーブルはカウンター傍の小物(ネクタイやリボン)を陳列するテーブルになりました。 (レンタル:もちさん宅フラムさん) (ラウ/★デンチュラ♀)
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