優しい木漏れ日、またいつか | ナノ



優しい木漏れ日、またいつか






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我ながらよく出来た内装だと、珍しく自分を褒めてみた。
クリーム色とオレンジ色を基調とした壁紙、少し奮発して購入したウォールランプ。窓は大きめ、入り口横にはショーウィンド。まだ裸のマネキンが鎮座するそこには、時期ごとのお勧め品を並べる予定だ。
店内には新品の商品棚。これから自慢の商品を並べる、大切な棚。今一度汚れや傷がないか入念にチェックを行う。

「商品棚、問題なし。……姿見は、もう少し右ですね。」

自分の背丈を超える姿見を少しだけ動かして入口へ。ぐるりと店内を確認して、試しに店内を歩いてみた。顧客の気持ちになったつもりで歩くと、何処に不具合が生じるか、様々な背格好の人が商品を手に取りやすいか、そんな部分が少しずつ紐解かれていく。
店の中央に用意した会計カウンターへ向かい、今度はそこから全体を見渡した。万が一、ということがある。そんな時の為にすぐ動ける位置にいることは重要なのだ。

「異常なし。あとは商品を並べ、開店を待つだけです。」

世界各地で自分の気に入った自慢の品だけを販売する洋装店。今から少しだけ、心が弾むような、そんな心地がした。


* * *
洋装店がオープンする少し前のお話。
(ラウ/★デンチュラ♀)









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