甘い甘いココアが好き
!)甘ーい紫ネズ、現パロ ・小悪魔ネズミに頭の上がらない年上紫苑さん ・「追いつきたい」の二人 ・あんま関係ないけど…たしか設定は ・紫苑(26)はやり手事業家 ・ネズミ(16)は国民的トップアイドル ・うろ覚えだから、もしかしたら違うかも(おい
「ねぇ、紫苑」
紫苑がダイニングでお気に入りの椅子に座り、文庫本を片手にコーヒーを飲みながらくつろいでいると、ネズミが珍しく甘えた声で話しかけてきた。 ネズミはといえば、紫苑と向かい合う位置の床に座りこみ、紫苑のつくったココアのたっぷり入ったマグカップを両手で大切に包み込むように持って、ちびりちびりと少しずつ飲んでいる。
「ん?」
すぐに文庫本を閉じてネズミの話に耳を傾けてもよかったのだが、ふと悪戯心が首をもたげ、紫苑はあえて気のない素振りで応じてみる。
「なに、その返事」
案の定、ネズミは機嫌を損ね、マグカップを握りしめたまま目線だけを上に向け、紫苑を睨んできた。 そんなネズミを横目で盗み見ながら、紫苑は文庫本に熱中しているふりでぱらりとページを繰る。
「何だいネズミ?…これでいいの」 「うわー。紫苑、つめたー」
ネズミはふてくされ、いつもの癖でほんの少し頬を膨らませ、そのまま器用にココアをすすった。 そんなネズミに口元が緩むのを自覚し、紫苑はついに我慢ならずネズミの方へ視線を向ける。
「はいはい、なあに?ネズミちゃん」 「…やっぱ、やーめた」 「え、なんで」 「紫苑が冷たいんだもん。言う気失せた」
ぷい、とそっぽを向いてしまったネズミに、紫苑は慌てる。
「あっ、えっ、ごめん!えっと、あ、さっきの、気の迷いだから!」 「は?気の迷い?」 「うん、ちょっとクールな言動取ってみたかっただけ。ね、ごめんねネズミ」
ひょいと首だけひねって紫苑の方を向いたネズミは、唇を皮肉げに歪める。
「ふーん、クールな…ねぇ」 「ごめん、ごめんってば!機嫌なおして、ネズミ?」 「ふふっ、あんたには無理なんじゃないの」 「え?なにが?」 「ん、何でもない」
くっくっくっ。 ネズミは楽しそうに含み笑いをしながら、くいとマグカップを傾けココアを飲みほす。 ほう、と満足そうに吐息をつき、唇を舌で舐め、それからそこに、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「じゃ、紫苑、」
ことり、と床にマグカップを置き、紫苑を正面から見上げ、嫣然と微笑んでみせる。
「キスしてくれたら、機嫌なおしてあげる」
とびっきり甘いやつを、ね?
fin.
あーっ、タイトル本文中に入れてない…てか入れるとこがない(笑) ま、いいよね 今回は私のくだんないタイトルだしorz
突然、甘えんぼなネズミを書きたくなりました 原作の凛々しいネズミは何処へ…なーんて今更ですよねっ ごめんね原作ネズミ 原作ネズミあいしてる
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