追いつきたい


!)設定
歳の差紫ネズ両思い(甘々)
紫苑(26)はやり手事業家で
ネズミ(16)は国民的トップアイドル




家が隣、くらいしか紫苑との共通点はない。
ただ、両親が共働きで暇を持て余していたおれは、よく紫苑の家へ上がっていた。
でもおれが小学校へ行く歳になると、紫苑は大学受験で忙しくなった。忙しいくせに、おれが行けばちゃんと相手をしてくれる。勉強の邪魔をしてるんだと分かってからは、あまり家に行かなくなった。
大学生になった紫苑はますます忙しくなっていった。
つまらない。
そんな時スカウトされて、気付けばトップアイドルともてはやされる立場になっていた。
一方、紫苑は事業家になってそこらへんの社長よりたくさんのお金を稼いでいた。
ま、おれもかなり稼いでるけど。

「しおーん」

インターホンを押して呼び掛ける。
返事を待つより早く、ドアが開いた。

「ネズミ、仕事は大丈夫なの?」
「今日はオフ」
「そっか。お茶にする?」
「紫苑の作ってくれたココアが飲みたい」
「はいはい、上がって」

玄関で紫苑は来客用のスリッパではなく、おれ用のスリッパを出してきちんと揃えてくれる。

台所でお湯を沸かす紫苑を眺めていて、違和感に気付いた。

「あ、紫苑」
「うん?」
「眼鏡…いつから?」
「ああ、最近だよ。パソコンとか長くみてたら視力落ちてきて。変かな?」
「いや、似合うんだけど」

眼鏡かけてるってことは、おれが来るまで仕事してたってことだよな。
邪魔…したのか。
自分が紫苑の障害になるなんて、死んでもごめんだ。
ぎりっ、と唇を噛み締める。
どこまで行けば、あんたと対等になれる?

「どうしたの?ネズミ」
「…おれは」

紫苑に近づき、そっと眼鏡を外す。少し背伸びをして軽く唇に触れて微笑む。

「眼鏡かけない紫苑の方が好き」
突然のキスと言葉に、紫苑は顔を赤くしてうろたえる。

「え、あ…じ、じゃあコンタクトにしようかな…」
「だから、そうじゃなくて」
「え?」
「あんまり無理すんなってこと」
「ネズミ…。心配してくれてありが…」
「あーっ紫苑、沸いてる沸いてる」
「え?あ!わーっ」

紫苑は慌ててやかんをコンロから外す。
コンロの火はそのままにして、鍋にココアの粉を入れる。
沸騰したお湯を少しだけ注いで、こねる。

「ネズミ、冷蔵庫から牛乳取って」
「分かってる。ほら」
「サンキュ」

今度は少しだけ牛乳を注いで、鍋をコンロにかける。
少しずつ、少しずつ、牛乳を足して、注いで。
丁寧にココアをつくる紫苑をすぐ隣で見ながら、ネズミはふっと息をついた。

こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。




甘…っ(びっくり)
もともとの設定は…

『紫苑(27)はやり手事業家で
沙布(26)と結婚してる
ネズミ(16)は国民的トップアイドル
マネージャーは山勢(30)』

だったんだけども…。
沙布と山勢が行方不明ww

また今度…
『紫苑(28)はやり手事業家で
沙布(26)と結婚してる
ネズミ(18)は国民的トップアイドル
マネージャーは山勢(30)』
この設定でリベンジしたい…な

沙布とネズミの修羅場が書きたかったのにー
そんで落ち込む紫苑を山勢が元気づけてあげるの
ネズミは悔しいと思ってますます頑張るんだと思う



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