02


いたずらっ子のように輝くネズミの瞳に一瞬見惚れたけれど、からかわれた原因を知りたくてヒビの入った鏡の前へ急ぐ。
自分の姿を見てみて、あっ、と声をあげていた。

「頭に葉っぱが付いてる…いつ付いたんだろ?」

頭の上の方、左右対称の位置に白髪の間に挟み込むようにして、枯れ葉がくっついていた。
ネズミが近寄ってきて、その枯れ葉を指先でつつく。

「なんか、耳みたいだな」
「耳?えっ、どこが?」
「猫とか、犬の耳みたいだ。ほら、垂れた三角耳に見える」
「…あっ、言われてみれば」
「紫苑、今日カランたちと遊んだだろ?」
「え?ああ、うん。八百屋さんに行ってきた帰りに、少し。なんで分かるの?」
「千里眼さ。たぶん、その時にいたずらされたんだよ」
「ええっ、いつのまに…」

頭の枯れ葉をそっとつまんで除ける。
枯れ葉は以外と綺麗な色をしていた。

「で、きみが笑ってた理由はこれだけ?」
「いや?」
「まだあるの?」
「知りたい?…背中にも可愛らしいメッセージが付いてるぜ」

背中?
慌てて背中に手を伸ばす。

「え、どこ、ちょっと取ってよ、ネズミ」
「はいはい。ほら、これ、手紙だな…えーと、なになに?」

カサリと紙の音がして、ネズミがそれを、笑いを含んだ声で読み上げようとする。

「あ、ちょっ、勝手に読むなよネズミ、ぼく宛なんだろ、それ」

取り返そうと手を伸ばす。
ネズミはにやりと笑って、ひらりと身をかわす。

「ほら、取れるもんなら取ってみな」
「ネズミ!」

ネズミは手紙を高々と掲げる。
背伸びをして取ろうとしても、身長差のせいで、とどかない。

「はははっ、紫苑、ほらほら」

ネズミは楽しそうに笑って、ひらり、ひらりと踊るような足取りでぼくをかわす。

「ネズミ、ネズミってば!」
「ほら紫苑、こっちだぜ、…って、おい!」

ガタンッ。
ネズミに飛びかかったら、スープを置いてあるテーブルに足を引っ掛けた。

「うわっ、危ないじゃんか紫苑!」
「もとはといえば、きみのせい…っと!」
「あ!反則だぞ、それ」

やっとのことで、ネズミの手から手紙を取り返す。

「油断したな、ネズミ。んーと…」

その手紙にはカランたちの覚えたての字で、こう書かれていた。


『いつも遊んでくれてありがとう。カラン、リコ』



ほのぼのギャグに原作沿いで再チャレンジしましたが…どうなんでしょうこれ…ギャグなのかな、これ?
昨日の、5話放映前にカチカチ打ってたんですが、さっき5話見て口調とかいろいろ直しました(笑)
原作もう一回読みたいけど…手元に8巻しかなくて他は全部出払ってるんです(^_^;)はやく返ってこないかなー…

原作むつかしいですね(・ω・`)
これからも精進します…!
リクエスト、ありがとうございました!m(__)m



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