雪隠詰め | ナノ


▼ 年始御神籤(2013:凶)


「……俺に凶をあてるとか、悪意を感じる……」
「そ、そんな事ないですよ! 今年は巳年だからですよ! ほら、先生の年!」
「……ああ、そういやそうだな。今年は俺、ねぇ?」
「……な、なんですか、その悪役みたいな微笑みは」
「なぁ、ナトリ。俺の年っていうなら、俺の好きな事しても良いよな……?」
「へ、いや、そんな事は……あっ!ちょっ!何してるんですか、やめ、アッー!」


 破られたシャツの前を必死に閉じながら、ナトリが後ずさる。
 じりじりと壁際に追い詰めながら、気分が高揚していくのが分かった。
 ドクドクとまるで脳味噌に心臓が移動してしまったかのように熱く、麻痺する。
「ナトリ」
「や、やめてください、どうして……」
 とん、とナトリの背中に壁が当たる。
 追い詰められた事に表情が絶望へと変わったのを見た瞬間、その自分に比べればずっと小さい身体を組み敷いた。
「や、やだ!」
 必死に前を隠す腕を無理矢理外し、もはや服として用途をなしていないシャツを引きはがす様に肌蹴させた。
 現れた白い平らな胸にぽつりと色どりを加える小さな飾りに唇を寄せ、ねろりと裂けた舌で舐める。
 鼻腔からなだれ込むナトリの匂いに思考を焼き切れさせつつ、もう片方の飾りを指で押し潰し、捏ねた。
 ひくひくと泣きに引きつらせる喉が可哀想で可愛らしい。
 そこにも舌を這わせ、蛇の様な音を耳元に吹きこんでやる。
 今からお前を喰うのだと知らしめるように。
 傷付けない程度に歯を首に食い込ませながら、高ぶる興奮を抑えつつ手を下に向かわせた―――ところで目が覚めた。


「そんなこったろうと思ったよ!」







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