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ニヤがナトリちゃんの傍にいる。ずーっとくっついてる。
別に俺の友達とりやがって!みたいな感情は無いけれど、ナトリちゃんの何に惹かれてるのかがすごく気になるんだなぁ。
「ねえねえニヤ」
「あぁん?」
こーゆー場合はさ。
「ナトリちゃんの何がいいのー?」
「ぶっ」
直球が1番だよね!
「にゃ、な、何言ってんだてめぇ!!」
ほらほら、ネコ語尾になってるよ。
「ミツルはっ、新入りだからっ、傍にいてやらないといけないと思って!」
あーあー、しどろもどろじゃん。
にやにやと笑いながら、更に問い詰める。
「でもそれってニヤじゃなくてもよくなぁいー?」
「そっ、それは!俺が……一番に友達になったから!これは義務なんだっ!!」
「ふぅうん」
うーん、なんか決定打じゃないなぁ、と鼻を不満げに鳴らす。
「……あと……」
お?
「……あいつに撫でられると気持ちいいんだよ……ってにゃにいってんだ俺ぇええ!!」
おおー、と内心で拍手する。これか?決定打?
よし、そうなったらさっそく、悶えてるニヤはほっといて、ナトリちゃんを探しにいこーっと。
頭を抱えているニヤをわき目に鼻歌を歌いながら教室を出た。
すぐにナトリちゃんを見つけ、満面の笑みで抱き着く。
「ナっトリちゃーん!」
「あ、ネクロ」
驚いたように瞬くナトリちゃんを覗き込む。
「突然だけどさぁ」
「うん」
「俺を撫でてー?」
「……撫でるの?」
「そー」
怪訝そうな顔をしながら、別に良いけど……と言ったナトリちゃんの手が俺の頭に触れた。
――って、何これぇええ!?うっわ、すご!何これ!キモチ……あっ、耳、耳やめっ!弱いからっあっでも、気持ちイー……。
喉なっちゃうよ!かりかり掻かないでっ!ウソっ!もっとしてー!!あーもう何が何だかわかんない……!うーわーうーわーこれ……サイコー……。
「何やってんだてめぇえ!」
「ぎにゃう!!」
ナトリちゃんの手の感触に浸っていると、後ろからおもいっきし殴られた。
睨みながら振り返れば、憤ったニヤが立っていた。
「なにすんのさぁ」
「それはこっちの台詞だ!何撫でられに行ってんだ!」
「いーじゃん別にぃ」
「よくねぇええ!」
俺だって撫でてもらいたいのに!!ってニヤの尻尾が言っている。
「ミツルも簡単に撫でてんじゃ……」
「左手空いてるから撫でようか?」
きょとんとしているナトリちゃんの無邪気な申し出に、ニヤは一瞬虚を突かれた表情を見せた。
その余りに間抜けた顔に吹き出しそうになる。あー誰かに見せたげたい。
「どうしたのさー二人とも。今日は変だねー?」
くすくす笑いながら俺らを撫でるナトリちゃんに、喉が鳴るのが止められない。
あー。確かにナトリちゃんの傍は陽だまりみたいに暖かいから好きだけど、こんなおまけがつくなら更にずっと傍にいたくなるわ、ねぇニヤ?
横目でちらっと見れば、蕩けそうな顔をしていた。
こうして俺らは心ゆくまで撫でてもらった。
これからもちょくちょく撫でてもらおうっと。
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