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「そう。“Trick or Treat”お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ!ってお菓子をせびるんだ。
で、その仮装だけど僕は神父で…ゴルジュは悪魔…いや淫魔とかどうかなぁって」


ニヤリとストイックな格好には似つかわしくない厭らしい笑みをジュエさんが頬に乗せた。


「この角も、可愛い翼も瞳も最大限に活かさないと、ね?うふふ、神父を誘う淫魔とか素敵だと思わない?」


さっきまで全然繋がらなかった話が勢いよく繋がって行く。
とりっく…なんたらとかいう意味は『お菓子をくれないと悪戯してしまうぞ』だとジュエさんは言った。
ジュエさんは仮装をしていて、今から外に出掛けてお菓子を集めてくる訳では多分無いだろう。じゃあ誰にお菓子をせびるかといえば俺しか無い訳で、でも俺は一つもお菓子を持っていない。という事は…

『じゃあ悪戯しても良いよね?』

と我が意を得たりとばかりに『悪戯』を仕掛けてくるジュエさんがありありと想像出来る。
ど、どこかにお菓子…お菓子無かったっけ…っ!

焦る俺を前ににんまりとジュエさんが笑みを浮かべ――


「Tric―――」


その時はっと妙案を思いつき、その唇に自分の唇を押し当てて言葉を封じた。


「んっ、…む?」


急にキスをされたジュエさんが少し驚いて目を瞬かせている間に即座に唇を離し、


「と、とりっく、えっと、おあ?とりーと!!!」


お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ!と精一杯叫んだ。
最初に言ってしまえばこっちの物だ。ジュエさんがくれるお菓子を半分に分ければ良いじゃないか。
ほっと胸を撫で下ろせばジュエさんがとても残念そうな顔をする。


「そっかぁ…じゃあお菓子持ってないから、悪戯してもらうしかないね」

「はい!………えっ?」


告げられた言葉に愕然としてジュエさんを見れば、あのニヤニヤした笑みを再び浮かべて俺を見ていた。


「ああ本当ごめんね?お菓子買っておけば良かったんだけど…」

「じゅ、ジュエさん、あの…俺、その…」

「大丈夫、ベッドの上で甘んじて悪戯を受けるよ」


ジュエさんの腕が逃げようとした俺の腰をがっしりと掴む


「思う存分僕に悪戯してね?」


そう言って寝室へと向かう姿は一体どっちが悪魔に見えた事やら…。






おまけ


「もっとホラ自分で腰振って、ね?」

「あ、あう、も、ふぇ…むり、ひぅっ…ムリ、です…ッ!」


ズボンは取り去られ、シャツの前は肌蹴た状態でゴルジュの身体がゆらゆらと前後に揺らめく。
腰を振っているつもりなのだろうが、余りの快楽に太腿はわなわなと震え力が入らない。


「ふふ、神父のモノを咥えこむなんていけない淫魔だよね…」


ああそれともこれが悪魔祓いになるのかな?などと言いながらジュエの腰が下から強く穿つ。
途端に背を反らせてゴルジュは悲鳴を上げた。
その背を抱き締め引き寄せると身体を反転させてゴルジュを下にして覆い被さる。


「でもこんな可愛くて厭らしい淫魔なら神父でも魂売っちゃうか」


荒く呼吸をするゴルジュの胸に厭らしく手を這わせ、左胸に置いた。


「契約もしてここに僕の物って証でも刻んじゃう?」

「ひゃぅ、う、んっ!」


にやりと笑いながらきゅっと左の胸の飾りを摘めばジュエの熱い楔を埋め込んだ腰が跳ね、その事で自分で刺激してしまいゴルジュが高く鳴く。


「じゅ、え…さ…っジュエ、さ…ん」

「ん?」


縋る様に名前を呼ばれ、身を寄せればゴルジュはひぐひぐと喉を鳴らしながら


「キス、してくださ…」

「…。」


お願いと何度も繰り返すゴルジュを無言で眺め、この日の為に用意していた細い銀縁の伊達眼鏡を外すと後ろに流していた髪をぐしゃりとかき混ぜながら小さく息を吐いた。


「………簡単に魂売り渡すくらい煽ってくれるよね、ホント」


そう呟いてゴルジュを見下ろしたジュエの眼差しは情欲で危ないくらいにギラギラと輝き、貪る様なキスをゴルジュに施しながら何度も腰を叩きつける。
叩きつける度に上がる喘ぎがキスでくぐもるが、一際高く伸びる声を上げるとゴルジュはくたりとその身体を弛緩させた。

達した事でひくひくと痙攣する身体を抱き締めながらジュエは甘く甘くその耳に囁いた。


「――…Trick or Treat?」


ハロウィンの夜はまだまだ明けそうにない。



- Happy Halloween!! -



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