VII 


領主は毎回手土産を持って来た。
森で生まれ、森で育ち、森から出てきた事の無い森番の為に。
色々な話も聴かせた。
村に来る吟遊詩人から聞いた話、子供達が知っているようなお伽噺、畑で実る作物の話、秋に行われる祭りの話など。

森番はそれらに非常に興味を持った。
領主の話はどれも面白く、そして領主はとても誠実で優しかった。

いつしか森も領主が踏み込んでもざわめく事は無くなり、森番も領主が森を訪れるのを心のどこかで楽しみにするようになっていた。



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