VI
領主は約束を1つ守り、1つ破った。
領地に戻ると領主は即座にお触れを出し、森に近づく事を禁じた。
しかし領主は再び森にやって来た。
何故なら彼は森番に恋をしたからだ。
森番は困った。
この森に危害を加えようとはしていない様だが、しかし相手は森の危惧している人間である。
あの人間が森に踏み入る度、森は緊張した様に静かにざわめくのだ。
どうするべきなのか迷って間にまだ若い領主は森番の元へ足繁く通って来た。
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