IV 


森番は森を守った。それが使命だから。それが生きる目的だから。

しかしそれは悪戯をする熊を諌めたり、湧水を塞ぐ岩を退かしたり、折れかけた木が他の木を傷つけない様に支えをしたりと、森が懸念したような事柄から守る様な物では無く、とても穏やかな物だった。
しかしその間も確実に森の外では色々な種類の人間が生まれ、住まう土地を広げていった。

若い木が立派になり、森番が生まれた瞬間を見届けた木々が年老いても森番はあの森番のままで。
歳を取らずにただ森を守り続けた。

幾年過ぎた頃だったか。

森番は森の中で一人の青年と出会った。



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